講演を依頼された方が、上手く話せるようにアドバイスを求めて来られることがあります。
「どうしたら上手に話せるだろうか」という相談と、「大勢の人の前でちゃんと話せるだろうか」という相談があります。
前者はテクニック的なアドバイスをすれば良いのですが、後者については、基本的な取り組み方をアドバイスすると同時に、フォローも必要になります。
覚えずに何度もイメージする
1時間以上人前で話をするときに、台本を作って覚えるという方法もありますが、最初からそれを求めるのは厳しい。
そこで項目だけを話す順番にA4の紙1枚に書き出し、それを何度も見ながら、実際に喋ってみるようアドバイスします。
実際に試してみると、こんなことを話そうとか、この話は止めよう、この話は次の項目で話そうというようなアイデアが浮かんできます。それをA4の紙に書き足していくのです。
そして、それを毎日見るのです。できれば毎日話してみるのです。ぼそぼそと独り言のようにやれば十分です。
そうすると、自分は何を話したいのか、どういう順番で話すのかということが、頭にインプットされます。当日は、しっかりと前を向いて話せます。念のために、今まで見てきたA4の紙1枚を手元に用意しておけば、安心です。
無理やり暗記すると、忘れたときに頭の中は真っ白・・・。何も喋ることが出来なくなります。思い出そうと焦れば焦るほど、何も分からなくなってしまうのです。
スケジュールを何度も確認する
自分のスケジュール把握も全く同じです。毎日スケジュール帳を確認することです。
見る度に「今度の金曜日は大事な会議」という確認ができていれば、例え緊急のトラブル対応をせざるを得なくなっても、金曜日の会議資料作りを忘れることはないでしょう。
大事なことであればあるほど、何度も確認すべきなのです。覚えなくとも何度も目にして確認することで、脳にインプットされます。
また何度も目にしておけば、スケジュールが大体把握できているので、ダブルブッキングや失念という醜態をさらすことは無くなります。
更に「今度の火曜日は空いてるかい?」とお客様に声をかけられたら、スケジュール帳を見ずに、「その日は、・・・」と即答できるようになるでしょう。その態度一つで、お客様から一目置かれる営業マンになることもできます。
覚えるのは義務です。義務はやらされ感を生じます。
それよりもスケジュール帳を何度も見て確認することを習慣にした方が、メンタル的にも安心できるはずです。
大事なことは、繰り返し見ることを続けることです。
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。