お客様をピラミッドの形で分類すると、てっぺんのごく小さな部分が即購買して頂けるお客様であり、その下に多くの見込み客がいるという図式になります。
この見込み客へのアプローチを大切にしていくことで、見込み客が購買して頂けるお客様へと変貌していくのです。
見極めるのは難しい
ある見込み客を訪問した時のことです。
明らかに私を警戒している雰囲気が漂っていました。そのお客様との会話も弾まず、「これは無理かな」と諦めて早々に引き上げたのが最初です。
二回目に訪問した際も、こちらの商品紹介を聞いてもらうのが精一杯という状況でした。時間にしても、せいぜい5分から6分くらいに感じられる短い時間です。こちらの会社を訪問するのはもう止めようと決めました。
ところがその1か月後にその会社から電話があって、会いたいというのです。
現在は、お客様を紹介してくれる程の大事な上得意様として、お付き合いをさせて頂いています。
自分の中ではもう無理だと思っていたのに、お客様の方から声をかけてくださるという幸運に恵まれたのは、やはり顔を出していたからこそなのです。
後から聞いた話では、そのお客様は過去に口の上手な営業に嫌な思いをさせられていたようです。そのためにかなり警戒していたのですが、私の真摯な態度を見て取引をしてもよいかと思ってくれたそうです。
お客様は変化する
お客様を取り巻く環境は常に変化しています。常に同じ状態とは限りません。経済状況だけでなく、経営方針の変更ということだってあり得ます。
更には、お客様自身も日々成長しているということです。「今はご縁がない」かもしれませんが、いつの日か「ご縁でつながる」こともあるのです。
極端なことを言えば、今日はダメでも明日は上得意のお客様になっていることだってあり得るのです。「あのお客様には見切をつけよう」等と1回~2回の訪問で決め付けるのはもったいないと思います。
見込み客のフォローは直ぐに成果が出ないかもしれませんが、継続していくことが大切です。
変化の激しい現代だからこそ、お客様も変化していくのです。お客様が求める時にそばにいる営業マンは、あなたなのです。
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。