営業マンは、お客様とスムーズなコミュニケーションを心掛ける必要があります。なぜならお客様は、商品を「人から買う」からです。コミュニケーションの取れない営業マンと契約を交わすことはないのです。
このように重要なコミュニケーション力を高めるために、心理学者のウィル・シュッツが分類した、人間の自尊心の「3つの感」を紹介しましょう。
それは、「自己重要感」「自己有能感」「自己好感」です。人は自尊心が満たされれば、喜びを感じる生き物です。3つの感を満たせば、あなたとお客様の距離はぐっと近くなるはずです。
自己重要感を感じてもらう
人は誰しも、「大切な存在」として扱われることを望んでいます。
大切な存在だと思ってもらうためにはどうすれば良いのでしょう。
それは、相手のことをしっかりと覚えることです。
「課長」「部長」と呼ぶのではなく、「○○課長」「□□部長」というように、ちゃんと名前を呼びましょう。なぜなら、自分のことをちゃんと覚えているというのは相手を大切だと思っているということの表明だからです。忘れていませんよというアピールとしては、その他に季節の挨拶や、定期的なコンタクト・フォロー等を欠かさないことです。
自己有能感を満たすために
誰でも自分は有能であると認めてもらいたいものです。つまり自分の価値を評価してもらいたいのです。
「すごいですね!」だけではなく、具体的に「○○さんの分析はすごいですね!とても正確な分析だと思います」というように褒めると効果が高まります。
お客様の考えを全否定するようなことは、止めるべきです。
自分の意見があったならば、お客様の考えを決して否定せずに同意を示した上で、質問形式で確認していくと良いでしょう。「こういう場合は、どうでしょうか」という質問ならばお客様は悪い感じを受けません。
逆に意見を求められて得意満面に自説を展開するのは、時として好ましくない場合があります。問題点を指摘しながら、お客様が答えを出せるようにすることも、スキルとして必要になる場合があります。
自己好感を満たすために
好かれたいという気持ちを、誰しも持っています。その気持ちを満たすためには、個人的に興味・関心があるという質問をすることです。
「○○部長のその洞察力は、どのようにして身に付けたのですか?」「この仕事は天職のようにお見受けしますが、何かコツとかあるのでしょうか?」等の質問を商談後にしてみることです。きっとお客様の自己好感を満たすはずです。
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。