交渉が得意な営業マンは、想定できる内容や結果のパターンを複数用意し交渉に臨むことで主導権を握っている

from 西野浩輝

プロの棋士は何手先まで読むことができるのかという疑問に対して、「千手万手」という回答がある一方で、十手先までという回答もあります。

将棋で十手先まで読むだけで、組み合わせは1億近くなってしまうので、どちらも正解なのでしょう。恐るべき能力ですね。一般人としては、ただただ驚くだけです。

交渉事で必要なのは、先を予測する力

プロの棋士になる力はなくても、ある程度先を予測することは交渉事には必要です。

こう言われたらこう話をしよう等と、事前に予測しておくのです。

それも考えられるいくつかのパターンを予測しておく必要があります。何十手先を読むことができなくても、いくつかのパターンを予測し、それぞれの対応をイメージすることはできるはずです。

こうしておけば交渉時に、余裕をもった対応が可能となるのです。

何も考えていない状態で、突然言われたことにきっちりと対応するのは無理があります。そして、戸惑う姿を交渉相手に見せることにもなります。

これは交渉事において大きなハンデです。相手に弱みを見せれば、そこを集中的に責めてくるでしょう。

これでは交渉とは言えない状態です。

先を予測しても、外れることもある

いろいろなパターンを予測していても、考えてもいないことを切り出される場合もあるでしょう。

でも、何も考えていなかった時とは全く違う対応ができるはずです。

それは、心の余裕度合いが異なるからです。

ある程度予測をしていれば、新たな問題にも十分応用が利きます。考える素材が頭の中に揃っているのです。

だから、予想が外れることは一切気にしないことです。

プロの棋士でも、相手の打ち手に「う~む」と顔をしかめるケースがあります。ましてや一般人の私たちが先を予測したら、外れることの方が多いのは当たり前と言えるかもしれません。

交渉を有利に進めたいのなら、先を予測して事前に準備しておくことです。

相手が出てくるスタンスを見極めてから対応を考えていたら、全ては相手の思い通りになりかねません。

少しでも有利に事を運びたいなら、必ず先を予測して対応を考えておくべきです。

西野浩輝写真マーキュリッチ代表取締役
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。
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