営業マン同士が話をしているとき、お客様が商品の良さを理解できないのは、お客様に問題があるかのように話す場面に出くわすことがあります。
そういう営業マンは商品の良さを理解し、一生懸命にその良さをアピールしているのでしょう。
でもなぜか、お客様に商品の良さを伝えられない。意外とこういう営業マンは多いですね。
熱意の空回り
商品の良さをアピールし、その良さを理解してもらって、お客様のお役に立つことがセールスマンの使命です。
そのために商品の良さをしっかりと理解することから始め、お客様にどのように役立つのか考え、その良さをより理解して頂けるような話の内容・話し方を綿密に計画します。営業成績を残すためには、それだけの下準備を調えているのが、トップセールスマンです。
ですが、一つ大きな勘違いをしていると、これらの熱意と努力は全て無駄になってしまうのです。トップの成績を残す営業マンは、その勘違いの壁を乗り越えた経験を勲章のようにもてるはずです。
相手の立場になって考える
情報は、その受け手側の立場で価値が変わるのです。
例えば、生活保護費が1万円減らされるとしましょう。納税者の立場なら、出費が減って良かったという程度の情報ですが、生活保護を受けている方にとっては、死活問題の情報です。
このたとえ話で、もうお分かりですね。
営業先のお客様は、あなたの話に価値があるとは理解できていないのですから、いくら営業マンが頑張って話しても、簡単には理解してもらえないのです。あなたがいくら「良い商品なんです!」と口にしても、売るためのただの口上としか思っていません。
ではどうすれば良いのか。
それは相手の立場になって、つまり聞く側の立場になって情報を再構築するのです。既にたっぷりと情報が染みついた自分ではなく、何も知らない相手が理解できるように話す工夫が必要なのです。
相手に伝わり易い話をするにはテクニックも大事ですが、先ずは相手の立場に立って、何も知らない人が理解し易いように話をしようという気持ちが大切です。
小手先のテクニックも、そこに熱い想いがなければ効果は半減してしまうでしょう。
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。