ヒアリング能力を高めることは、お客様との良好な関係を維持していくために必要だということを、以前にご紹介しました。結局、そういう努力が営業マン自身への信用となって積み重なっていくのです。
ではヒアリング能力は、具体的にどのように高めていけるのでしょうか。
リスト作成から始めてみよう
最初は聞きたいことを全部紙に書き出してみましょう。
付箋紙を使うのがお薦めです。付箋1枚に一つの質問を書きます。思いつくままに全部書いてみましょう。
次にそれらを紙の上でグループ分けするのです。
例えば「A:会社や担当者に関するもの」、「B:扱う商品に関するもの」、「C:予算に関するもの」というように、付箋紙をペタペタと貼り分けていきます。
最後には、三つのグループの中でつながりを持てそうなものを見つけるのです。
付箋紙に印を付けてもよいですし、貼ってある紙に線を引いてつなげても構いません。Aのこの質問をして、こういう答えが返ってきたら今度はBのこの質問ができるな、そうすればCのこの質問も関連性があるから一緒に訊けるなという流れが出来ます。
ここまでできたら、それをリストにしておくのです。
関連の無い質問をバラバラ訊いていては、答える側もうんざりしてしまいます。関連する質問を次々に訊けるリストを作っていけば、いずれはリスト無しでも、同様に訊くことが出来るようになります。
質問の言葉を考える
スポーツニュースで、負けた選手に「今の気持ちはどうですか?」と訊くインタビュアーがいますね。これをビジネスでやってしまうと、お客様によっては激怒されます。
試合に負けた選手は、負けたら悔しいし悲しいに決まっています。見ている人も分かります。
ですから例えば「今一番したいことは何ですか?」と聞いてみるのです。
「今日は泣きます!」、「今日は悔しくて寝られないです」、「一人になりたいです」、「帰って練習します」、「やけ酒飲みます」等といろんな答えが想像できます。その答えから更に質問出来そうだと思いませんか。
これは一つのシミュレーションにしか過ぎませんが、同様な練習を繰り返しましょう。そうすることで、次々と話を聞き出せる質問ができるようになるのです。
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。