お客様のニーズを掘り出し提案をする一連の流れの中で、ヒアリング能力を発揮する営業マンがいます。ヒアリング能力とは、相手から聞きたいことを上手に聞き出す力・スキルです。
「そんなこと、人間関係ができていれば大丈夫!」と思っている営業マンが多いのですが、残念ながらそうやって決め付けてしまうことで、自分の成長を自分で止めてしまっているのです。
本当に人間関係が築けていますか
営業マンの中に「俺は○○社の△△部長とは仲がいいからさ、いろいろ融通が効くんだよね。人間関係が出来ているから、違うんだよ」と自慢話をする人がいます。おそらく本当のことでしょう。そういう関係を築く努力をされてきたことは、本当に尊敬します。
しかし、その関係が明日も来月も、半年後にも、1年後にも、・・・ずっと続くのでしょうか。その部長の前に非常に優秀な別の営業マンが現れ、的確な提案を繰り出して来ても、その営業マンは△△部長と「人間関係」を維持できるのでしょうか。
お客様とあなたの関係は、個人的な関係ではありませんね。
例え休日にお付き合いがある関係でも、仕事の縁が切れれば、良好な関係を続けていくことは難しくなります。常に関係維持の努力が求められています。
ヒアリング能力を向上させて、成長感を示そう
常に成長する人間が傍にいるだけで、周囲の雰囲気は活気を帯びます。皆がエネルギッシュになっていくのです。そういう営業マンでいる努力を続けると、お客様との「人間関係」もより深まっていくでしょう。
普段の打ち合わせにおいても、質問する内容や言葉を吟味して聞き出し方に工夫をしていきましょう。そうすると、お客様が話をしやすくなるのです。
仲の良いお客様でも「おや?最近俺、喋らされてるな。」と、あなたの変化に気付きます。
そこがポイントなのです。お客様が喋り易くなるように、聞き出し方に工夫をするのです。
例えば、「これこれはどうしますか?」というような非常に抽象的な聞き方をせず、「この案件は納期優先で進めた方が良いのかと思いますが、いかかでしょうか」というように、相手が話しやすい問いにすべきでしょう。
納期優先で・・・と訊かれて、「その通り!今回はとにかく急ぎで頼む。でもそこそこの品質が前提だよ」と返って来るか、「いや、そんなことはない。急ぎたいのはもちろんだが、品質重視は譲れない。そのために多少のコスト増はやむを得ない」等と帰って来ます。
慣れるまでは、事前のシミュレーションに時間をかけましょう。
そして実践で試みながら、スキルを磨くのです。こういう努力の積み重ねが、お客様との人間関係を良好に維持していく秘訣なのです。
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。