優れた営業マンはお客様の心を気づかう配慮「大義名分」を用いて答えを引き出している 

from 西野浩輝
お客様とのアポイントが取れると、契約に結び付けたいという思いが強くなり、どうしても押しの一手になりがちです。

しかし実際にはそれが逆効果となってしまうことが多いのも、皆さんよくご存じでしょう。

優越感

「お客様だけのために・・・」、「お客様だけの・・・」等という言葉は、お客様に「私は特別なお客様なのね」と優越感を与えるので非常に効果を発揮します。

でもよく考えてみてください。

この「お客様だけのために・・・」という言葉は、どういう場面で使いますか。

おそらくお話が順調に進み、お客様が商品を気に入ってくださっているときの最後の一手ではないでしょうか。背中を軽く押してあげれば決断して頂けるという状況で、「お客様だけの・・・」と言えば、「そうなの?なら契約しましょう」ということになるはずです。

この台詞を、初めてのお客様や商品紹介の初めにしたらどうでしょうか。「私のことを何も知らないのに、怪しい・・・」と思われるだけです。

形式的な「大義名分」の活用

初めてのお客様や商品紹介の初めに効果のある言葉は、「初めに皆さんにお聞きしているのですが・・・」「これは最初に皆さんに確認させて頂いています」等の台詞です。

このような言葉は、身構えているお客様の気持ちを楽にしてくれるのです。「自分だけではないのか。みんなが聞かれて答えているんだ・・・」と、安心できるのです。

元々このような質問は決断を促している訳ではなく、「確認」を目的としているのですから、とにかく安心感を与えることが重要なのです。お客様に答える「大義名分」を与えることを意識すべきです。

「これはみんなが答えているのだから、自分も答えて良いのだ」と思ってもらうことが大事なのです。

お客様に優越感を与えて喜んでもらうことを意識する場面なのか、お客様に「大義名分」を与えて安心して答えやすくする場面なのかを意識しましょう。

特に後者については意識しないケースが多いのが現実です。戸惑うお客様の表情を見て、慌てて言葉を継ぎ足しているようでは、お客様の不安感が増すものです。最初から、お客様に答える「大義名分」を用意しておきましょう。

 

西野浩輝写真マーキュリッチ代表取締役
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。
西野著書写真

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