from 西野浩輝
お客様にモノやサービスを提供する人は、誰しも営業マンだと定義することができます。
そうすると、コンビニの店員、駅員、タクシーやバスの運転手、医者等も営業マンということになります。営業マンではない人を探す方が、かえって大変なくらいです。
誰しもが営業マンならば、実は営業の教科書はそこら中にあると言えるのです。あなたはそのことに気付いていましたか。
意識したものだけが情報となる
フランスにあるルーブル美術館をご存知でしょうか。
名画が山ほど展示されている世界的に有名な美術館なので、名前くらいは聞いたことがあるでしょう。
そこの大きな展示室では、壁の上から下までびっしりと絵画が飾られています。大小様々な絵画が、無造作に壁を埋め尽くしています。何の予備知識もなくこの部屋を訪れた人は、1分~2分壁を見渡した後、この部屋を後にするでしょう。
なぜか?
十把一絡げのように飾られている絵画としか認識できないからです。
ところが、その絵のどれもが美術史上大変重要な絵画ばかりなのです。その知識がある人は、その大きな一つの展示室を出るのに1時間以上の時間を要するでしょう。
このように目の前にあるものでも、その情報に対して意識を向けない限りは、ただの景色としての価値しか生み出しません。
逆に言えば、少し意識するだけで、あなたの周りは宝の山だと気付くことになるかもしれないのです。
謙虚な姿勢が成長の元
あなたの周囲に存在する営業の教科書ですが、その営業姿勢を批判しようと身構えていたのでは、あなたの成長はありません。
よく人のあら探しをするケースがありますが、それをしている限り、成長することはできないでしょう。謙虚な姿勢が大事です。
あなた自身が「今どういう状況で、どういうお客様に対して、どういう対応をしたら良いのか」を考えながら、人の接客を観察するのです。
つまり自分だったらどうするかを考え、違いがあればなぜ違ったのか、どうすれば良かったのかを考えましょう。批判するために考えるのではありません。良いところを見つけ出すために、その良いところを真似するために考えるのです。
たまには営業されてみるのも大事な経験です。目から鱗が落ちるという経験ができるかもしれません。
「人の振り見て我が振り直せ」という諺がありますが、悪い点だけでなく良い点も合わせて「我が振り」を磨いていきましょう。
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。