出来る営業マンはお客様が話す内容をそのまま受け止める事で相手を尊重している 

from 西野浩輝

コミュニケーションで大事なことの一つは、相手を尊重するということです。相手を尊重するというのは、相手を大切に思うことです。

お客様の言葉を受け止める

先日若い営業社員A君と一緒にお客様を訪問したときのことです。

私の方からお客様に「業界では最近○○について話題になっているそうですね」と話を切り出しました。

そのお客様は、「そうなんだよ。○○が実際に普及したら、今の業態では商売がし辛くなってしまうよね」と返答されました。

私としてはそういうことまで含めて既に理解していたのですが、「そうなんですか!?そこまでの危機感が漂っているのですか?」と敢えて知らないふりをしました。

隣にいた若い社員は私の態度に少し戸惑っていましたが、「A君、そこまでの危機感をお持ちなら、君の企画が役に立つかもしれないね。概略だけでも聞いてもらったらどうだい」という私の言葉で、彼もようやく状況を把握できたようでした。

お客様を大切にするということは、お客様の言葉をそのまま受け止めることでもあるのです。

先ほどの例で言えば、お客様が話してくれた「商売がし辛くなる」という内容をそのまま受け止めるのです。

「既に知っていますよ」と受け答えをしていては、お客様をないがしろにしていることになり、自分が優位な立場に立とうとすることにつながってしまいます。

お客様に安心感を与える

先ほどの続きです。

A君が説明し、お客様が質問するというやり取りを私は横で眺めていた訳ではありません。お客様が質問される度に、私はメモを取りました。そしてA君が答える内容も同様に記録しました。

これは、お客様が自分の意見を尊重してもらえているという安心感を抱ける行動なのです。

もしも黙って聞いているだけだったら、お客様は「自分の意見は取るに足らぬレベルなのか・・・」と不安になってしまうのです。お客様と円滑なコミュニケーションを取り続けるためには、このようなちょっとした配慮が欠かせません。難しいことではないのです。

相手を大切に思い、尊重する気持ちがあれば、自然と配慮できるようになるでしょう。

 

西野浩輝写真マーキュリッチ代表取締役
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。
西野著書写真

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