社内、社外を問わず、あちこちで営業の研修講師の仕事をしていると、「あれ?あの人は前にも会ったことがあるぞ」と見覚えのあるお顔に何度も出くわすことがあります。
いわゆるセミナーが大好きという方々です。回遊魚のように、様々な研修に可能な限り参加されているようです。そんなにたくさん参加していると、さぞ凄い営業マンになっているのだろうと思うと、実はそうでもないことの方が圧倒的に多いです。
セミナーに参加することが目的になっていないか
回遊魚のようにセミナーにたくさん参加されている方は、目的と手段を見失っているのです。
即ち、セミナーに参加すること自体が目的となり、参加したことで満足してしまっているのです。「あ~、今日もいい話が聞けたな。先生も話が上手だったから、聞いてて飽きなかったし、参加してよかったな~」という具合なのです。
これでは、営業マンとして成長することはまず無理でしょう。
セミナーに参加して成長するために
セミナーに参加する目的は何なのでしょうか。
それは人それぞれに違うかもしれませんが、例えば「お客様に商品の説明を分かり易く伝える方法を身に付ける」とか、「お客様からニーズを聞きだすコミュニケーション術を学ぶ」というようなことになるのでしょう。
その目的を達成する手段が「セミナー参加」ということになるのが本来の姿のはずです。
もしも、そんなことを考えもせずにセミナーに参加したのなら、講師の話が有意義であればあるほど「なぜ研修の内容が良かったのか」、「どのように自分がそれを取り込むのか」、「どうやって実践していくのか」を考える必要があるのです。そうすれば、目的意識を欠いてセミナーに参加しても、営業マンとして必ずや成長できるはずです。
どんなに良い話を聞いても、その話の内容を自分に落とし込まなければ意味がありません。
自分に当てはめてみて、何を、いつ、どうやってやるのかを検討しましょう。その意欲があれば、必ずや立派な営業マンになれるはずです。
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。