お客様からの信頼を得るために、大手のグループ会社を攻めまくる営業マンがいました。
彼曰く、取引先として「○○グループ会社」と挙げることが重要ということでした。
そのために他の問い合わせ等は全て同僚に譲り、新規のお客様から買いの注文が入っても、同僚に譲っていたほどです。彼の眼には、大手のグループ会社しか入っていなかったのです。
戦略的な営業
「私は〇〇グループの会社様ともお取引させて頂いております」と自己紹介すると、「おたくは〇〇グループと付き合いがあるの?!」というリアクションが返ってくるそうです。
正確には「〇〇グループの(子)会社」なのですが、お客様は「〇〇グループ」という見方をしてくれるので、一気に信用が増すそうです。
この営業の仕方は、目先の利益を負わずに将来的な利益を追求するスタイルです。「〇〇グループ」という言葉を、まるで水戸黄門の印籠のように振りかざし、営業して歩くのです。世間が何を信用するのかをよく理解した戦術です。
このように、大手のグループ会社ばかりに営業をかけて、その他には目もくれない。
しかし大手のグループ会社と上手くいけば、その取引実績で営業をかけまくる。これは完璧な戦略に基づく一つの営業スタイルです。積極的に打って出る営業です。
戦略が定まっているので、目的達成のために少々のことには動揺せずに、仕掛けていけます。
受け身の営業は発展性に欠ける
いつまでも目先のお客様にばかり目を向けていたのでは、営業マンとしてステップアップするのは難しいでしょう。
コツコツと信用を積み上げることを否定するのではありません。コツコツと信用を積み上げるならば、それを戦略としているかどうかということなのです。
今の仕事を今後どのようにつなげていくかを見通しているか、そこが問われるのです。ただ売り上げを稼げばよいという営業から、戦略的に、積極的に仕掛ける営業を身に付けて行きましょう。
受け身のままではその時の売上目標を達成できても、長期的には無理です。毎回目標値を達成するために苦労することになります。
積極的に仕掛ける営業を身に付けて、先につなげる営業スタイルを目指しましょう。
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。