改めて「問題解決力」が注目されている理由
デジタルテクノロジーの発展、多様化する市場のニーズ、新たなビジネスモデルの出現など、近年ビジネスを取り巻く環境は複雑に、そして目まぐるしく変化しています。
同時に生じる問題も複雑に絡み合ったものへと姿を変えていく中、現場で適切にかつスピード感をもって対応することが求められています。
複雑化した問題に対してスピーディに対処していくには、意図的にスキルを駆使しなければ、本質的な解決には一向にたどり着けません。
なぜ、問題解決がうまくいかないのか?
解決しなければならないと思っているのにもかかわらず、問題解決がうまくいかない状態に陥ってしまうのにはいくつかの原因があります。
- 問題を雑ぱくに捉えている
- 原因を特定できていない
- 解決までの方法が思い浮かばない
- 解決のアイデアが思いつきにとどまる
- 解決するための材料が揃えられない
- 最適な解決案が思い浮かばない
つまり、「問題とは何かを正しく認識できていない」、「問題の本質をつかめていない」、「問題解決のアプローチ方法を知らない」、3つの「ない」に苛まれているからと言えます。
この状態のまま問題解決に臨もうとすると、以下のような状態に陥りやすいといえます。
1.アクション化がなされない
スモールステップで対処しようにも問題が整理されていないため、どこから手をつけていいか分からない。
あるいは解決の道すじが見える前に取り組もうとして思考が空転し続けるなど、問題に対して具体的な行動に移せていない状態に陥りがちです。
2.間違ったやり方で遂行される
では早急に行動に移せばいいかというと、それはまた別の問題を引き起こします。
明確な根拠がないまま、思いついた施策を手あたり次第に実行することは、限られた時間の無駄遣いになるだけでなく、関係者に協力を求めるべく必要な根拠が乏しいため、組織として効果のある手段を選ぶことが難しくなります。
また、周囲から言われるがままに対応した場合、対応方法に疑問を持つことが出来ず、同じような問題があらわれた時に再現性をもって対処することが困難になります。
さらに思考停止の状態で問題解決を行おうとするが故に、結果としてモグラたたき的アプローチになってしまう可能性があります。
特にモグラたたき的アプローチは、問題に対して一見対応していると本人は勘違いしやすく、なかなか真の問題解決に至らない厄介なものです。
「モグラたたき的」アプローチの具体例
- 問題を裏表にしただけの解決策
(例)残業を減らすために「残業禁止ルール」を発令する。 - 過去の成功パターンを無条件で信じて繰りかえす
(例)営業は足で稼ぐものだから、顧客訪問の回数をもっと増やす。 - 多面的に考えず、偏った視点で対策を打つ
(例)標準化のためにマニュアルを作成するのみ(どう浸透させるかの観点が抜け落ちている)
これまで通りのやり方(モグラたたき的アプローチ)をこなすのではなく、より本質的、効果的な方法を模索し、解決に向けて取り組めるようになることが問題解決において重要になってきます。
問題解決力向上研修の全体像
当研修では現状の認識からプロセスごとに必要なスキルを習得していきます。特に問題の構造把握力を高めることで、本質的な問題解決へと導きます。
ゴールと効果
- 自発的に問題に気づくことができるようになる
- 問題の本質をとらえ、どこに手を入れて解決すべきか要点がつかめるようになる
- 学んだことがそのまま活用できるため、より効率的にかつスピーディーに職場の問題解決が図れる
- 目の前の問題だけでなく、将来訪れる変化に対して打ち手を講じることができる
- 論理的思考力を業務上の問題解決に活かすことができる
また、プロセスごとに習得する中で以下のような副次的な効果を期待することができます。
研修の特徴
問題の発見・分析・深堀り・解決までを網羅的に学べる
- プロセス・方法論を体系的に学習できる、汎用性の高い内容をプロセスごとに習得できるプログラムになっています。
問題解決のコアとなる「構造化」を重視した内容
- 「ズームイン(思考の深掘り)」、「ズームアウト(思考の拡張)」の2つのアプローチによる「問題の構造化」を強化する内容
- それにより、これまでとは異なる次元での問題解決ができる力が養われ、新しい突破口を見出しやすくなる
約80%を演習時間に充てることで、実践的にスキルを身につけられる
- 大小さまざまな演習に取り組んでもらう「体験型トレーニング」のスタイルのため、ステップ・バイ・ステップでスキル向上が図れるプログラムになっています。
- 問題解決に対しての苦手意識を抱かず取り組める工夫(ミニワークの採用など)を散りばめられています。
プログラム内容
1.問題解決の重要性と概要
- 問題解決でありがちなNGとその原因
- 【演習】問題解決自己チェック
- 問題解決思考の2つの使い道
- 問題解決思考の全体像
2.現状の認識
- 現状の掴み方が問題解決にどう関わるかを理解する
- 現状認識の「解像度を上げる」とは?
- 定性と定量の両面から現状を的確に掴む
- 【演習】過去の経験から自身の現状認識力を把握する
3.問題の特定
- 「問題」の2つの定義
- お困りごと、ギャップ
- 「問題意識が低い」とはどういうことなのか?
- 取り組みべき問題の特定のためのマトリクス
- 【演習】普段の「取り組んでいる問題」を振り返る
4.問題の構造化
- 構造化のために図解することの3つの効用
- 【演習】文章の内容を図解する
ズームイン 思考の深掘り
- ありがちな浅い思考
- 思考の深掘り 3つの手法
- 手法① 理由分解
- 【演習】特性要因図によって、理由を分解する
- 手法② プロセス分解
- 【演習】フローチャート 穴埋めエクササイズ
- フローチャートの2パターン
- 【演習】プロセスのチャート化
- 手法③ 重み分け
- 重み分けのツール(分布図・グラフ・マトリクス)
- 【演習】重み分けを活用して問題の核を明らかにする
- 【演習】学習内容を踏まえて、自身の問題解決を振り返る
ズームアウト 思考の拡張
- ズームインとズームアウトの違い
- 【演習】問題の「外側」を見て、思考を広げる
- 思考拡張のためのキラークエスチョン
- 1つの問いを変えることで思考プロセスがどう変わるか?
- 【演習】ズームイン思考で自身も問題解決を考える
5.解決策の立案
- 解決策立案で注意すべき2つのこと
- 問題解決は次なる問題を生む
- 実行する人によって、効力は変わる
6.問題解決 総括演習
- 学びを踏まえた「問題解決シナリオ」の作成
- 全体発表と他受講者・講師からのフィードバック
- グループ内発表と相互フィードバック
当研修のテキストスライド抜粋
この研修を受講するおすすめの方、位置づけ
リーダーの役割を担っている方
- 現場の問題を解決するべき重要なポジションについている方
- 現場で起きている(起こるであろう)ことの改善案を、上司や経営層に進言すべきポジションにいる方
顧客の課題解決が求められる方
- 顧客の課題解決の提案や、顧客の期待を超えるサービスが求められる方
- 業務を通じて顧客が抱える課題に接している方(営業職、フロントSE、カスタマーサービス担当者など)
- 顧客先に常駐し業務を遂行されている方
業務改善の必要性がある方
- これまでの慣習で同じ作業を続けているが、無駄が多く発生している方
イノベーションが求められる方
- 新しい価値を世の中に提供する役割の方(企画や商品開発等に携わっている方)
ロジカルシンキング研修を受講後、さらなるステップアップを図りたい方
- ロジカルシンキング研修を受けたことがあるものの、業務にうまく活かせていないと感じている方
講師紹介
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。
野村尚義
15年間で20,000人のプレゼンを指導してきたプレゼン・アドバイザー。いつも選ばれ続けるトップ1%のプレゼンの分析から、成果直結型のメソッド"ダイヤモンド・プレゼンテーション戦略"を体系化し、それを用いた指導をおこなっている。
研修の検討・導入プロセスについて
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