プロは場所を選ばない
“プロは場所を選ばない”と考えさせられた、貴重な体験をしました。
マーキュリッチの営業として働いている私は、ホテル業界の出身です。
これまでにホテルオークラ東京、リッツカールトン大阪、リッツカールトン東京、東京ベイコート倶楽部を経験してきました。
別のカテゴリーで表すと、日系、外資系、会員制のホテル。
お恥ずかしい限りですが、一流として紹介されるホテルです。
そんな私が最近、改めて思うことがあります。
それは、“一流のホテルで勤務している人は、一流のサービススタッフである”は必ずしもイコールではないということです。
間違いではありませんが、100点ではありません。
残念ながら、一流ホテルで働いていても笑顔がなかったり、お越しいただいたお客様に不快感を与えるスタッフがいます。
これは私がホテル業に従事している時から感じてきました。
反対に、世間でサービスがそれほど期待されていないお店の中に優れたサービスを実践するスタッフがいるのも事実です。
とあるコーヒーチェーン店での出来事
先日、営業前に訪れたカフェでこんな事がありました。
メールチェックのために開いたノートPCの液晶部分がコーヒカップに当たり、思いっきりこぼしてしまいました。
私に非があることは明白です。
ですが、拭きにきたスタッフは、火傷はなかったか、服は濡れていないか、PCは大丈夫かなど気遣いを見せてくれました。
自分の不注意なので濡れても大丈夫ですと言ったのですが、スタッフはバックが濡れているのを発見すると、乾かしましょうかと更なる気遣い。
私は丁重にお断りして、迷惑を掛けたことを謝罪しました。
新たにドリンクをオーダーすると、カウンターにいる別のスタッフがメニューを覚えており、用意してくれました。
お支払いすることをスタッフに伝えても、笑顔で断られました。結果、無料で美味しくいただいてしまいました。
普通であれば、コーヒーをこぼした自分に腹が立つはずなのですが、非常に気分良く営業に向かうことができました。
無料でご用意いただいたコーヒーの味も最高で、今後決して忘れることはないでしょう。
本当に価値のあるサービスとは? プロ意識とは?
本当に価値のあるサービスを体験することができました。
この差は何なのでしょう。
私は思います。
サービススタッフとしてプロ意識を持っているかどうか。
さらに、プロ意識を持っているスタッフには、全くブレがない事。
一流の企業で働いているのに、一流のサービスができない人は、一流の企業だから利用しているお客様も満足いただけるはずと思ってしまう。
だから、これくらいの妥協は許されるだろうと自分に甘える。
一方、カフェスタッフは再度来店いただくために、カフェを気持ち良く利用していただき、そして満足感を提供しようという意識が定着していたのではないかと考えます。
満足感を提供するからには、一切の妥協は許されません。
この意識を醸成させ、継続させることの大切さを感じた出来事でした。