社内研修に関するご相談を日々頂く中で、昨今、経営者や教育担当者からのニーズが高まっているテーマの一つがタイムマネジメントです。特に部下を指導・育成する必要がある管理職やリーダーポジションの社員に対し、実践的なタイムマネジメント術を習得させたいというお声をよく頂きます。
なぜタイムマネジメントの需要が高まっているのか?様々な企業が着目し、社員に学ばせたいと考えるタイムマネジメントとはどんな技術なのか、基本的な考え方や習得するメリットについてまとめました。
タイムマネジメントはなぜ必要なのか?
タイムマネジメントが必要とされている背景には、少子高齢化に伴う国内労働人口の減少があります。総務省の労働力調査によると、2022年度の労働人口は6902万人とされており、2060年には約4500万人まで減少すると見られています。
加えて、中国や韓国を中心にアジア諸国が目覚ましい経済発展を遂げる中、相対的に日本企業の影響力低下が生じています。グローバル市場の競争が激化する中で、多くの日本企業にとって競争力強化は喫緊の課題です。
労働人口の減少に歯止めがかけられない状況下で、競争力を高めていくためには、一人ひとりの生産性を上げていく必要があります。そのための手法として、タイムマネジメントに対する注目度が非常に高まっており、社内研修等でもタイムマネジメントを習得する機会を設けるケースが増えています。
特に昨今では「働き方改革」によって労働時間の削減が義務付けられているため、タイムマネジメントの習得はもはや企業が成長するための必須条件といっても過言ではないでしょう。
タイムマネジメントとはそもそも何なのか?
タイムマネジメントとは、「24時間365日という限られた時間を有効に使い、生産性の向上を図るためのマネジメント術」です。直訳すると「時間管理」になりますが、正確には、自らの行動を管理し成果を最大化するためのスキルです。
タイムマネジメントができないと、同じ仕事をしていても様々な非効率・非生産が生じます。具体的には、無駄な作業の増加や段取りのロス、タスクの優先度や重要度に対する見極め不足などが挙げられます。逆に言えば、タイムマネジメントを極めると、これらの無駄がなくなるため、仕事の量も質も改善されます。
タイムマネジメントを習得するメリットは、主に以下のとおりです。
- 業務処理のスピードと質の向上
- 新たな学習や仕事に取り組む時間が確保できるため、経験値アップが見込める
- ライフワークバランスが確保しやすくなり、メンタルや体調が安定する
もちろん人材一人ひとりの生産性が高まることで、企業の競争力が高まり、組織の成長につながることは言うまでもありません。
タイムマネジメントの基本的な考え方とは
タイムマネジメントを行う際には、時間あたりの業務スピードをいかに短くし、かつ仕事の質を高めるか、を常に意識して物事に取り組む必要があります。その上で、以下のような手順で現在の業務を見直し、改善のアクションを起こしていくことで、生産性を高めていきます。
- 現在行っている業務を洗い出し、可視化する
- それぞれの業務にかかっている工数を明確にする
- 細分化したタスクを重要度と緊急度別に振り分ける
- 空いた時間を活用して都度振り返りを行い、さらなる改善に取り組む
この中でも特に大切なプロセスが、4の振り返りと改善です。タイムマネジメントは1回行って終わりではなく、継続的な改善を図っていくものです。自らのスキルアップやキャリアアップに応じて、業務内容や求められるレベルも変わってくるため、意識して振り返りの時間を確保するようにしましょう。
また、タイムマネジメントの際には、それぞれのタスクの性質の見極めが重要です。
- 人に任せても問題ない仕事か、自分しか出来ない仕事か
- 思考を必要とするか、ほとんど必要としないか
- 時間の自由がある程度きくか、一定時間拘束されるか
上記で紹介した基準をもとに判断しながら、人に任せられるタスクを抱え込まないようにしつつ、思考を必要とする重要な仕事に注力していけば、自ずと生産性は上がっていきます。
こういった考え方や手法は特に管理職の必要な人材マネジメントにも通じるため、最近では管理職研修をご相談いただく中で、タイムマネジメントの研修を組み込むケースが増えています。
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