「チームが上手く機能しない」「個人プレイになってしまう」といった課題を抱えている企業は多く見られます。特に会社組織が拡大傾向にあるときほど、マネージャーの育成が追いつかず、チームマネジメントが上手くいかないといった問題が生じやすくなります。
会社の業績アップのために、チームマネジメントは欠かせません。本記事ではチームマネジメントとはそもそも何なのか、プロジェクトマネジメントと対比しながら具体的な考え方やマネージャーに求められるスキルについて解説します。
チームマネジメントとは何か?
チームマネジメントとは、ある目標を達成するために、複数の人々が協力して行うプロジェクト管理の手法を指します。チームマネジメントの目的は、プロジェクト全体を把握し、チームメンバーの能力を最大限に引き出すことです。
プロジェクトマネジメントとよく似ていますが、プロジェクトマネジメントの場合はプロジェクト全体に目を配り、スケジュールや予算、進捗の管理等を主体に行います。一方、チームマネジメントはプロジェクトを構成するチームに目を向け、さらにその構成員が活躍しやすいように管理をしていきます。
プロジェクトマネジメントについては別記事に詳しくまとめていますので、そちらを参考にして下さい。
チームマネジメントで守るべき原則とは
チームマネジメントにおいて、守るべき原則は以下の3点です。
- チームのパフォーマンスを最大化することを最優先事項とする。リーダー個人の我を優先することなく、全体の業績アップに努める。
- チームとしてのゴールは、構成員一人ひとりのゴールよりも優先される。個々のゴールは適切にチームで共有しあいながら、パフォーマンスを向上出来るように取り計らう。
- 期待パフォーマンスを継続的に満たせないメンバーはチームを離脱する。また、ゴールの達成見込みが立たないチームは解散する。
いくら個人として高い能力があっても、それをチームとしてより活かしていく術を知らなければやがて限界が訪れます。逆を言うと、チームマネジメントを適切に行うことで、構成員のモチベーションが高まり、業績や成果の改善が期待できるのです。
チームマネジメントを行う際に留意すべき人員構成とは
チームマネジメントを行うためには、そもそも「適切なチーム構成」を理解しておく必要があります。なぜならチーム構成の設計次第で、メンバー間のコミュニケーションやカルチャーが変わってくるからです。
たとえば、上下関係や規律を重視する場合は、チーム内のピラミッド構造をきちんと整えたほうが良いでしょう。逆に自由度高く、独創的なアイデアが飛び交うチームにしたいのであれば、フラットな構造にしておく必要があります。後者の方がよりリーダーシップが問われるため、チームの難易度は高めです。
チーム内ではそれぞれの構成員が役割を担います。以下に一例を挙げました。
- リーダー:全体管理や戦略立案を行い、最終的な意思決定を担う
- サブリーダー:実務レベルや戦術企画の責任を担う
- エース:サブリーダー直下で実務レベルの監修や成果物の管理を行う
- バックアップ:予算管理や人材管理等、チームが円滑に回るように中間管理を行う
- トレーナー:社内の教育や指導を行う
- スタッフ:実務をこなす
- クラリカル:事務や庶務などいわゆるバックオフィス業務を行う
これらの役割を決める際に注意したいのが、深いコミュニケーションが成立するのは同時に3名までという原則です。そのため、たとえばリーダーからサブリーダーへと意思伝達をする体制の場合、サブリーダーは3名までに留めておくといった工夫をする必要があります。
ただしこれらのチーム構成は不変的なものではありません。人同士の相性や管理のしやすさから、日々見直し、適宜改善していくべきものと捉えましょう。
チームマネジメントに必要なスキルとは
チームマネジメントにおいては、個々の役割次第で求められるスキルが変わります。リーダークラスの管理職の場合は、以下のようなマネジメントスキルが必要です。
- チームメンバーと円滑なコミュニケーションを図るコミュニケーション能力
- チーム全体を統率するリーダーシップ力
- プロジェクトの計画、実行、監視、評価を適切に行うプロジェクトマネジメントスキル
- チーム内の信頼関係を構築するためのチームビルディングスキル
- チーム内のフィードバックを促しモチベーションを高めるモチベーション管理力
- 意見の衝突を調整し、摩擦を解決するコンフリクト解決スキル
- チームに発生する問題を特定し解決へと導く問題解決能力
チームマネージャーに求められるスキルは多岐にわたるため、現場で経験を積むだけでは、必要な能力が身につかないということはよくあります。そういった場合は、ぜひマネージャー向けの社内研修を見直してみるとよいでしょう。
たとえばマーキュリッチであれば、マネジメントスキル研修として、
- メンバーの「自立・自走・自燃」を引き出す「管理しないマネジメント」をゴールとしたマネジメント研修
- 部下のオーナーシップを高めるリーダーシップ研修
- リーダーとしての根幹の考え方を理解しチームの生産性を高めるタイムマネジメント研修
など様々なプログラムを用意しています。その他、チームの構成員全体のコミュニケーション力を向上させるためのプログラムも各種ございます。
現在の研修体制を見直したい方やチームマネジメントの強化を検討されている場合はぜひお気軽にご相談ください。いずれも貴社の経営課題や実践課題に合わせて、仕組みづくりの段階から最適なご提案をさせていただきます。