タイムマネジメントの意味
あなたは仕事に追われすぎて、時間をムダにしてはいないだろうか?
目の前に迫ったタスクをこなすだけに囚われ、半歩先の中長期的な課題に手をつけられない。さらには随時放り込まれる新たな課題に直面しすべてが悪循環に…。
あなたは今、未来の利益を失っているかもしれません。
しかしそんな悲しいビジネスパーソンを脇目に、余裕あふれる仕事の進め方で極めて高いパフォーマンスを魅せる仕事人がいるのも事実。
その差はどこにあるのか?
ズバリ、タイムマネジメント力の差です。
タイムマネジメント力とは?
仕事において自身を効率的・効果的に動かす力のことで、ビジネスパーソンには「ハイパフォーマーのタイムマネジメント」 を習得することが求められています。
「自ら先手を打って仕事をこなす」
そんなスキルを身に付けなければ、生産性を上げることはできないのです。
今回は生産性向上を極め、成果に直結するタイムマネジメントのコツをご紹介します。
タイムマネジメントのメリット
タイムマネジメント力を鍛えることで得られるメリットは様々。具体的にどんな変化が待っているのか?代表的なメリットがこちら!
残業時間が減り、ストレスが軽減
長時間労働は、ただただ心身に負担がかかるのみ。短時間で同じ成果を出せるようになれば、精神的にも時間にも余裕が生まれ充実感を得ることができます。
手付かずの重要な仕事に着手できる
業務を効率的にこなすことで生まれる“新たな時間”こそ偉大な財産。限られた24時間で最優先となる仕組み作りや自身をレベルアップさせるスキル習得に時間を充てることで、ビジネスのさらなる成果向上に繋がります。
周囲から信頼され、自己の評価も高まる
仕事を迅速に期日通りに進めることこそ、周囲から重宝される最高峰の強み。信頼、評価に直結し、ひいてはキャリアアップに繋がり自身の武器となることでしょう。
タイムマネジメント術はPDCAで考える
PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check&Adjust(レビューと改善)の頭文字を取ったフレームワークのこと。以下に具体的なPDCAマネジメント術を紹介したいと思います。
①(Plan)適切に計画化する
幾つかの仕事を抱えていると、ついつい先延ばしにしてしまったり、漏れが生じて大事な仕事に穴を開けてしまうことも。「今やるべきことは何なのか?」を理解せず、無策のまま仕事と向き合っていてもムダなだけ。
我々が取るべきアクションは『やるべきことのリストアップ』、『プロセスの分解』、『優先順位の決定』!それらをTo Doリストで管理する事で抱えている仕事の優先順位が輪郭を持って見え、効率よく仕事を進めることができます。
②(Do)密度濃く実行する
ダラダラと仕事に取り組んでも、質と量が伴わない結果が生まれていくだけ。「頑張る工夫」と「頑張らなくても仕事が進む工夫」が必要です。そのために欠かせないのは『3つのエンジン』!
●ポジティブエンジン
目標やご褒美を設定することでゴールに向かって突き進む、いわゆる「アメとムチ」の「アメ」の役割。
●ネガティブエンジン
仕事の後回し、先延ばしによって、どんな事態に陥るか?少しだけでも未来のリスクを想像する癖をつけましょう。自分を追い込むための「ムチ」のアプローチです。
●楽しさエンジン
つまらない仕事も環境や取り組み方の工夫で魅力的な作業に変換できます。
例えば、スタバ好きの方ならスタバを仕事場にしてしまうとか、ゲーム好きなら仕事にゲーム性を持たせてみるなど。仕事に自身の趣味嗜好をまぶしてみましょう。
③(CA)仕事を見直す
Check&Adjust(レビューと改善)とは、「現在取り組んでいる仕事のゴールや作業システムの目的に溯ることで、やるべきことを減らす」ということです。
本来の目的や求められているゴールを忘れて完璧を求める余り、不必要なことまでやっていませんか?「今、目の前にある仕事で求められているのは100点満点中『何点の仕事』なのか?」を認識することが重要。
先方が求めるOKラインギリギリの点数を狙う仕上げでいいのです。取引先からは「どこまで求められているのか?」或いは「上司は今何を必要としているのか?」。その確認作業こそムダを排除する一助となるのです。
タイムマネジメント3原則 ”マネ思考”、”見える化”、”手を抜く”
ここでは、タイムマネジメントに不可欠な3原則を紹介します。
①マネ思考
なんと言ってもデキる人の真似をする事が最善策。ハイパフォーマーにタイムマネジメント術をいろいろ聞いてみましょう。「タスクやスケジュールをどう管理しているのか?」等をしっかり聞いた上で、食わず嫌いせずに一度取り入れてから、自分なりにカスタマイズしていきましょう。
②見える化
やるべきタスクを頭の中に置くのでなく、外だしすることも効果的。脳内整理ではなく、書き出す。
例えば「●時〜●時まで▲▲をする」と書き出すだけでも頭が軽くなり、その分クリエイティブな仕事にエネルギーを割くことができます。
③手を抜く
日本人はマジメで全てに全力投球しがち。人間のエネルギーには限界があるので「やらなくていいことはやらない」思考が大事です。例えば『30分以内に資料5枚まで』、『明日まで企画書3割』など、制限を持って作業を進めてみてはいかがでしょう?
やらなくていいことを見定めるのも生産性向上のポイントと言えます。
組織のムダを発見、削減し、生産性向上を図る
ここまでは個人のタイムマネジメントについて話してきましたが、ここからは組織全体の効率化を考えるためのポイントをご紹介します。
組織の代表的なムダとその排除のコツ
①過剰品質によるムダ
これは規律が厳しい組織において発生しやすい問題。発注者の期待値を下回ることに恐怖を感じ、過剰に頑張りすぎてしまうムダ。たとえ完璧に近い仕事ができたとしても、その陰には非効率、やりすぎ、無意味な自己満足という見えないムダが溢れているのです。
–対策–
目的やゴールを明確にするとともに、相手の期待値を途中で確認してみましょう。「目的を考えると、これぐらいでいいですか?」と思い切って聞いてしまった方が後々ラクに仕事を進められます。
②仕事の偏りによるムダ
組織では仕事ができる人や話しやすい人など、特定の人に仕事が集中するもの。しかし、適材適所の配分になっていない場合、生産性がみるみる失われていきます。
最近では、テレワーク組よりも出社組に多く仕事が振られる傾向に。下手をすると生産性だけでなく社員のモチベーション低下にもつながってしまいかねません。
–対策–
チーム全体の仕事内容を一度洗い出し、各作業を大まかに把握します。そこからチームの業務一覧表を作成。チームメンバーの能力やモチベーションなどを見て、具体的に「誰に」「何を」配分すればスムーズに進められるかを再検討しましょう。
③差戻しによるムダ
これは上司部下の間などで頻発する問題。お互いの結果イメージが共有されておらず、何度もやり直しを命じられるムダに発展します。
–対策–
「3割報告のルール化」がおすすめ。作業が3割ほど進んだところで、方向性やクオリティを互いに確認します。また、このルール化には状況変化に柔軟に対応できるメリットもあります。
④属人化によるムダ
特定の担当者だけしか仕事内容を把握していない場合、周囲の誰一人としてフォローできない最悪の事態に陥ります。つまり、仕事のブラックボックス化が起きている状態です。業務のムダも発見できず効率化も図れないムダの境地に。
–対策–
まずは業務の見える化に取り組みます。リーダーはもちろん、チーム全体で仕事内容から進捗状況まで広く把握できる資料を作成し共有するようにしましょう。
さらに、定期的なプロセス改善と作業の再配分もおすすめ。仕事の進め方を変更したり担当者を入れ替えてみるのも改善に繋がります。
⑤会議におけるムダ
実は組織で一番多いのが会議のムダ。「とにかく長い」、「特定の人ばかり話す」、「話が脱線する」などは典型的な問題の例です。会議の進め方を改善しなければ生産性向上は一向に望めません。
–対策–
進行役が最初に各議題の時間配分を簡単に説明することでムダはかなり排除できます。時間を制限することで目的に沿った話し合いがなされ、無意味な脱線トークが自然となくなります。タイムキーパー導入も良いかもしれません。
また、会議の目的や存在、メンバー選定から進め方など毎回振り返ることをルール化しましょう。特に進行役やリーダーの方が率先して行うことが重要です。
まとめ
現代のビジネスパーソンにとって、仕事の生産性を上げるために、タイムマネジメントスキルを磨くことは必須です。
タイムマネジメント研修に興味がある方はこちらから。
ただし、ビジネスにおける究極の目的は、企業全体としての生産性向上のはず。そういった観点で言うと、個々人の努力だけでは効果はどうしても限定的になります。
やはり、組織全体のレベルアップを図るには、組織の長であるリーダー、マネジャーの意識&行動変革が必要不可欠です。
マネジメント全般の底上げを図りたいなら、優れたマネジメント研修で明日から実践できる具体的なテクニックを学んでみてはいかがでしょう?チームのパフォーマンスが大きく変わることを実感できるはずです。
▪マネジメント研修
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▪ リーダー向けタイムマネジメント研修
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西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。