from 西野浩輝

皆さんにとって「世の中で一番怖いものって何ですか?」

日本だと「地震、雷、火事、親父」と表わされますが、確かに歳を重ねたからと言って、怖くなくなることはないですね。

同じ質問をアメリカ人に尋ねた時、日本のそれらとは異なる調査結果が出ています。

今回ご紹介するアメリカ人が怖いもの。今後は、日本でも「親父のうしろ」に付け加えられるかもしれません。

アメリカ人にとって世の中で一番怖いもの

皆さんに質問です。アメリカ人に「あなたにとって世の中で一番怖いものって何ですか?」と質問をしたときに、一番多い回答は何だと思いますか?この調査は、定期的になされており、結果はいつも同じだそうです。

 死ぬこと?
 テロ?
 配偶者(笑)?

正解は、Public Speaking(人前で話すこと)です。

意外ですよね?「アメリカ人は総じてプレゼンテーションが上手く、堂々と気持ちよさそうに人前で話している。なんで?」こう思った人も多いかと思います。ただ、よくよく調べ、考えてみると、実は全く意外ではありません。

アメリカ社会、特にビジネス社会では「人前でうまく話せること」が強く求められています。その度合は、日本の比ではありません。プレゼンテーションが下手だと、まずもってビジネスで成功できないと言っていいほどです。

つまり、こと「プレゼンテーション」に関しては、求められるハードルが異常なほど高いとも言えます。目の前にそびえ立つ高いハードルを越えられるかどうかを考えると、誰だってすごく不安になるし、怖くなるのは当然です。

だから、「世の中で一番怖いものは何?」の回答の一位が「人前で話すこと」になるのです。

コラム記事でも何度かお伝えしてますが、私は「Toastmasters」という世界最大の英語スピーチクラブに入っています。アメリカ発祥のクラブだけあって、アメリカ人も多く、かつプレゼンの猛者だらけです。

私は、彼らがプレゼンすることに対していつもビビっているのを目の当たりにしています。

ただ、それだけではありません。

「もっと上手くなりたい」という思いが驚くほど高く、プレゼンに関して半端ない努力や練習をしている姿も見せつけられています。そういった彼らのひたむきな姿を見ると、アメリカ人が総じてプレゼンテーションが上手い理由も納得させられます。

翻って、日本はどうでしょう?

「日本はカルチャーも国民気質も違うから、無縁の話だ」と言えるでしょうか?

私はそうは思いません。

近々日本にもアメリカと同じような波が来ると読んでいます。いや、もう来始めていると言えるかもしれません。

なぜそう言えるのか?

一番の理由は、オンライン化です。今、様々なコミュニケーションがどんどんオンライン化されています。

1つの際たる例がYoutubeです。

皆さんの中でもYoutubeの教育コンテンツを見ている人が多いかと思います。いろんな話し手を見ていると、プレゼンテーション力に大きな差があると感じ
ませんか?上手い人の動画は最後まで見てしまうだけでなく、「お勧め動画」までつい手が伸びてしまう。

一方、下手な人の動画はあっという間に退屈して、早々と見るのをやめる。

リアル(対面)の世界では、ここまでハッキリとつかなかった差が、オンラインでは明確になるだけでなく、増幅されることを示しています。

まさにプレゼン力の差がビジネス成果の差に直結する時代に突入しているのです。そのことに気づき始めた人は、リアルのみならず、オンライン・プレゼン力向上にいそしんでいます。

今こそ、プレゼンテーション力の強化に取り組むときなのではないでしょうか?

西野浩輝写真マーキュリッチ代表取締役
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。
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