研修は業種に関わらず人材育成のために行うのが一般的です。研修の目的は業績の向上や態度や、行動の改善など様々ですが、効率的に研修を行うためには効果測定をし、次の研修に活かすことが重要です。
この記事では、研修の効果測定をするためのポイントや効果測定の方法まで詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
研修の効果測定がなぜ重要なのか
今日では効果測定を通して、実施した研修の効果について実証することが求められています。以下ではなぜ研修の効果測定が重要なのかを解説します。
研修費用が適正か確認できる
今までは、研修費用をコストとして認識する傾向にあり、研修効果の理解の仕方も「投資にあった効果を上げること」よりも「受講者に評判がよいプログラムに改善しよう」というものが多くありました。
しかし最近は、研修を投資として見る動きが顕著になっています。研修という投資に対してどれだけのリターン(例:売上の向上・行動や態度の変化)があるかで、研修予算や研修の実施が検討されるのです。
効果測定を行うことによって、研修が経営目標を達成するためにどのように貢献したかが理解でき、研修の費用対効果が適正か確認できます。
研修のブラッシュアップができる
効果測定をすることで、研修の内容をブラッシュアップ(改善)することができます。ただ漠然と修正するよりも、「研修の目的を達成したか」や「受講者は研修内容にどのくらい満足しているか」などを把握することができ、研修の改善点を明確にすることができます。
研修の効果が「いつ」「どのように」出たかをしっかり測定することは、未来の研修、そして未来の業績向上につながるのです。
研修の効果を測定するためのポイント
ここでは最も有名なドナルド・カークパトリックのモデルを用いて、研修の効果測定のポイントを解説します。
研修の効果を段階ごとに測定する
レベル1:Reaction(反応)
レベル1は、受講者がプログラムについてどのように感じたのか、参加して良かったか、役に立ったかどうかの満足度を評価する段階です。研修が終了したタイミングにアンケートをすることで、受講者の研修に対する反応を理解することができます。
いくつかの研修を行なっているのであれば、それぞれを比較することも有効でしょう。各々の研修の見直しの際にも重要な視点を得ることができるので、まずはおすすめしたい効果測定です。
レベル2:Learning(学習)
レベル2では、受講者が研修の内容を理解したのか、実際にどの程度の知識やスキルを身につけたのかを評価します。理解の定着などを確認することは、受講生のみならず研修企画者にもメリットがあります。受講生にとってはすでに学んだことでも復習し、活用しなければ忘れてしまうので、効果測定に取り組むことは記憶の定着にとって大きな役割を果たすでしょう。
理解に関する効果測定は、一般的に研修を終了してから数ヶ月後に行われるようです。研修直後にテストを行って採点し、受講者にフィードバックを当てることで記憶が定着しやすくなります。こうすることで、研修の効果により良い結果をもたらすでしょう。
レベル3:Behavior(行動)
研修の内容に刺激を受けて学習したとしてもそれに行動が伴わなければ、何も成果は生まれません。だからこそ、受講後に行動が変わったのかどうかを見極めるのは大切なポイントです。行動が変わったかどうかを測定する方法は、受講者に直接インタビューをするやり方や、他者評価(上司や同僚など)といったやり方があります。
レベル4:Results(結果)
最後のポイントは結果(Results)です。研修が本当に効果のあるものだったのかを理解するためには、受講者がどのような成果を会社にもたらしているのかを測定する必要があります。研修後ある程度の期間をおいて、受講者が会社にどのような貢献をしたのかを数値化可能な指標(例:売上・生産性)で測定するのが一般的です。
どのような項目を測定するか検討する
研修の効果を測定するためには、まず効果測定する項目を検討する必要があります。ここで大切になるのは、研修の目的が達成されているかどうかです。
例えば、エンジニア向けの開発研修であるなら、「どんな」開発を「なんのために」「どうやって」研修するか(=研修の目的)を検討し、それを達成しているかどうかを定量・定性の両面から理解できるようにする必要があります。
効果測定の考え方にはいろいろあります。代表的な考え方は、
②研修を教育の機会とし、それを改善するために効果の測定を行う
③人材育成を良い方向に導くために効果測定をする
などです。いずれのケースにせよ、研修の効果測定を行うことはPDCAを回すことにつながります。
研修の基本的な効果測定方法
研修の基本的な効果測定には、 主に3つの方法があります。以下では、この3つについて具体的に解説します。
受講アンケート
皆さんも研修を受けた後に、受講アンケートに回答した経験があるのではないでしょうか。受講アンケートは研修の効果測定にもっともよく使われる手法の1つです。
アンケートで頻繁に測定される項目は、研修の題材や講師、研修スケジュールについてなど多岐に渡ります。またアンケートでは、全般的な印象(例:今回の研修はいかがだったでしょうか?など)を聞くものから、セッションや場面ごとに設問するなど細かく設けるものまであります。これは、プログラムを改善するためには、より具体的に問題点や改善点を把握する必要があるからです。
このようなアンケートはいかなるタイプの研修にも応用可能かつ、研修終了後すぐに実施できる特徴があります。
ヒアリング
ヒアリングは、受講者に対して研修の内容や学んだことなどを直接尋ねる方法です。研修後にももちろん有効な手法ですが、研修前に講師や研修担当者からヒアリングを行うことによって、受講者の研修へのやる気やモチベーションをあげることもできます。達成したい目的によって適宜ヒアリングのタイミングを考えることが肝要です。
テスト
研修の実施前や実施後にテストを行い、研修の効果を測定するのも一般的な方法です。これは大体の場合、研修で得た知識やスキルなどが受講者に定着しているのかを測定するために行われます。
受講後すぐに実施されるテストや、ある程度の期間(例:3ヶ月)をおいて行われるタイプがあります。具体的な知識やスキルを学ぶタイプの研修では、一方通行の研修ではなく受講者が本当に研修内容を理解し、知識が定着しているのかを知るために大変有益な手法です。
まとめ
この記事では研修の効果測定について解説してきました。業種にかかわらず、研修は人材育成にとって大きな役割を持っています。
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