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refine_logo使用済み溶剤のリサイクルで環境ビジネスを営む日本リファインは、この業界では国内トップシェアを誇ります。今回、日本リファインが、「イニシアティブ・セールス研修」を活用した理由や背景、研修後の評価について、この研修を受けた同社営業部門部長の堀 広様と、オブザーバーとして同席した総務部総務課課長の山林悟志様に、くわしく伺いました。

日本リファインの業態

─ 御社の業態について教えてください。

営業 堀様(以後、敬称略) 日本リファインは、使用済み溶剤の精製やリサイクルを行っている会社です。

取引先は、石油化学製品をはじめ、製薬、繊維など、さまざまな分野の業界に広がっています。近年では、液晶や半導体など、製造業で健闘している分野の企業と多くお取り引きいただたいています。

これら製造業では、溶剤はモノ作りをする過程でを欠かせません。ところが、使用済みの溶剤をそのまま廃棄すると、重大な環境問題を引き起こします。

そこで、当社の保有する、独自の優れた技術と設備によって使用済み溶剤の再資源化を図り、各企業の環境への取り組みをサポートをしています。

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総務 山林様(以後、敬称略) 当社は1966年、岐阜県の大垣市に創立されました。

業務の拡大とともに千葉工場、東京事務所を設立。2001年には東京事務所が東京本社となり、2003年には中国江蘇省蘇州工業園区に当社の子会社を設立しています。

売上高は80億円(2008年度連結)、従業員数は265名(2009年6月現在)です。

今後も市場が拡大する環境ビジネスにあって、営業力の充実強化を図るために、当社ではマーキュリッチの「イニシアティブ・セールス研修」を受講しました

「イニシアティブ・セールス研修」受講の概要

─ 今回、「イニシアティブ・セールス研修」は、どなたが受講されたのですか?

 部長である私以下、営業職9名が受講しました。
受講メンバーの役職は課長代理以上で、当社のトップセールス9名ということになります。

山林 それと、総務部から、オブザーバーとして私が参加しました。

─ 研修は、どのようなタイムスケジュールで行われましたか?

山林 1日7時間、2日間にわたって行われました。
研修のプログラムは次のとおりです。

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営業プロセスを基礎から再確認、基本から営業を学べた

─ 日本リファインの営業について教えてください。

 営業マンの人数としては、20人強です。

“20人強”と人数が流動的なのは、現在、営業部門の組織改編を行っているためです。一人の営業マンが、それぞれ30から40の得意先を担当しています。

今回、研修を受講したのは私を含む9名、役職で言えば課長代理以上の者です。

私が入社したのは24年前です。大垣の営業時代は「とにかく行ってこい」ということで得意先を回り、実地で鍛えられました。今回の受講メンバーも全員、自分達自身で必死になって考え、営業として力をつけてきたメンバーです。

これまで個々に営業研修に出たり、社内的に講義形式での研修プログラムを実施したことはあります。

しかし、本質的なところでは、昔ながらの育て方と、現在もそう変わっていなかったのが現状です。そういう意味では、営業プロセスを系統立てて組織的に学ぶのは、今回が初めてということになります。

─ 営業のプロセスに沿った研修というと・・・。

 今回の研修は、主導権営業という一段レベルの高いところでの営業を身につけるものでしたが、一方で、アプローチ・ヒアリング・プレゼン・クロージングという営業の基本プロセスに沿ってプログラムが組まれていました。
ワークも各プロセスに沿って行われたため実践的で、非常に興味深く受講することができました。

また、実際のコミュニケーションスキルを、ロールプレイングなどを通して見ていくこともできました。基本的な名刺の渡し方ひとつにしても、「完璧にできているか?」と問われれば、できていたつもりであっても多少は不安になるものです。そんな、できていて当然ではあるけれど、プロの営業マンとしてのちょっとしたふるまいも、研修では折りにふれて確認していけたのがよかったです。

山林 それから、講義も単なる評論や理想論ではなく、自らトップセールスマンであった西野講師の体験に基づき、解析を重ねられたものであったところに価値があると思いました。

成功事例を聞き、失敗事例を聞き、ワークを行う。
その過程で、講師自身が役割モデルとなるので、説得力がありますね。

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プログラムの内容は、お客様と接する営業の根幹に触れる部分

─ 研修のプログラムは、日本リファインの営業の現状に即したものでしたか?

 当社の営業はかなり特殊な面もあります。

しかし、お客様と接する営業の根幹に触れる部分は変わりません。

それに、研修のコアコンセプトである、「主導権を取ってお客様導く提案」をしていくということは、まさに今後、力を入れてやっていきたい部分でもあります。

─ 営業に特殊な面があるとは、具体的にはどのようなことですか?

 当社は、使用済み溶剤をリサイクルする製造業です。そのため、次のような事情があります。

● 製造過程の「入り」と「出る」の両方の窓口を営業が担当する。
● 製品ライフサイクルが短くなっていることの影響。

製造過程の「入る」と「出る」の両方の窓口を担当する営業

― 順にうかがっていきます。「入る」と「出る」の両方を営業が担当する、とは?

 当社はモノづくりを行う製造業です。ただし、一般の製造業と大きく異なるのは、原料を普通に仕入れてきて製品をつくるのではないということです。原料となる使用済みの溶剤も営業が成約して取ってこなければ製品はつくれません。こちらが「入る」です。

そして、できあがったリサイクル製品は、売ってこなければなりません。こちらの「出る」を担当するのも営業です。つまり、「入る」と「出る」の両方の担当窓口が、営業となっているのです。

「入る」ほうについては、既存の取引先ではリサイクルの流れはできています。しかし、これまでリサイクルができていない新規の見込み客へのアプローチでは、リサイクルする流れを組み立てていく提案力が不可欠となります。

一方、「出る」ほうのリサイクル製品は、「再生品」という名で呼ばれることになります。使用済み溶剤を当社に任されたお客様自身にリサイクル製品を納める場合もありますが、リサイクル製品を外販する場合もあります。

― 外販の占める割合はどのくらいになりますか?

 関東圏のお客様では4割、関西圏では6割くらいになります。

外販をするとき、当社でつくった「再生品」があきらかに新品より高い品質であっても、再生品であるということから、必ず値引き交渉の材料にされます。

研修では、実際の場面ですぐにも使えるような営業の「カード」を、何枚もいただくことができました。そのカードを、どこでどう切っていくのが有効か。つまり、どのタイミングで、何をすれば信頼を勝ち得るのか、プロセスを追って学べたことは大きかったですね

営業窓口として信頼されるアフターフォローのあり方

― 製品ライフサイクルが短くなっていることの影響とは?

 当社が取り引きさせていただいているお客様の商品が切り替わるとともに、それまで製造に使われていた溶剤もなくなります。これは、当社の受けていた仕事が、そこで一つなくなることを意味します。

現在、一般の製品の切り替わりは非常に早くなっており、それに伴って使用する溶剤の種類もどんどん変わっていきます。

そのため、営業担当者はお客様の動向には常に注意を払うことが必要です。さらに継続して受注を得ていくには、営業窓口として当社を信頼してもらえるようでなくてはなりません。それだけに今回の研修プログラムでも強調された「アフターフォロー」のあり方が肝心になってきます。

山林 既存のお客様へのフォローとともに、常に新規分野の開拓も課せられています。製品ライフサイクルの短縮化とも関係しますが、一つの分野の商品が振るわなくなっても大丈夫なよう、さまざまな業界、さまざまな分野の仕事を受けていくことが必要です。

 ですから、いつでも各方面にアンテナを張り、見込み客にアプローチしていかなければならないわけですよ。

研修プログラムの内容は、このような当社の特徴的な課題に対しても、十二分に応えてくれるものでした。

受講メンバーの感想

― 受講された方たちの感想はいかがでしたか?

山林 好感をもって受けとめられたのではないかと思います。
次は、受講終了後に取ったメンバーのアンケートです。

  • これまでのロールプレイ研修だと、無理やり設定した役になりきって、上手く演じる事がベターであると思わされてきたが、今回は自己、他者の分析が重要であることを学ぶことができました。
    自分では、できている、わかっていると思っていたことが、実は相手に伝わっていないことがわかり、非常にショックを受けました。
    解析することは、今後の営業活動に大きな変化をもたらすと思います。これまでのやり方に、解析を加えて、より良い営業マンを目指します。
    ありがとうございました。
  • 皆の前に実演することで、自分で気づいていない強み、弱みを指摘されることが良い。
    マクロシナリオを作ることは既に行っているが、さらに詳細にできるようにしたい。そのための情報収集力・解析力を高めたい。
  • ・説明が具体例をつかっての場面が多く、わかりやすかった。
    ・講義とシミュレーションが短いスパンで繰り返しになっているので、話をよくきけた。
    ・自分の普段の営業活動の中で、もっと表情や強調の仕方に工夫が必要と思いました。
    ・会社案内、プレゼンテーション等、パターンを自分なりに整理する必要があると思いました。

研修で見えてきた、自分の持っている「設定」~それは相手に合っているか?

― 受講の様子をご覧になって感じられたことは?

 受講メンバーが演習を行うのを観ていて、営業トークを行ううえでの課題として次のような傾向があることに気づくことができました。

● 相手に合わせず、自分の中にある設定どおりの営業トークをする。
● 縦の階層に合わせた営業トークが不十分。

― 「自分の中にある設定どおりの営業トーク」とはなんでしょうか?

 当社の事業内容を説明するのはなかなか難しく、営業に行くときは必ず資料として図を用意します。長く営業を続けてきた者は、話せと言われれば今まで慣れ親しんだやり方で条件反射的に話を始めますから、もう「図がない状態で営業を行うのはあり得ない」という感覚で、図がなかったらその場で描き始める勢いです。

山林 研修で行ったある演習では、西野講師は「何も資料がない状況で、3分間で説明する」という設定を課しました。

「相手によって、当然、トークの内容は変わる。相手が現場レベルの人ならより詳しい情報を求められるが、管理職レペルの人、トップの人では、当然、それぞれトークの内容は変わらなければならない」というわけです。見ていると、それがなかなかできない・・。

 その使い分けができていなかったのです。

これまで部下には、相手の職種によって営業トークの内容は変えなければいけないことは指導していました。営業に赴く先は資材担当や購買、技術、開発などですが、当然それぞれ話す内容は変わります。受講メンバーも、職種別の横の使い分けはできていました。しかし、今回、演習でも求められたように、異なる階層の縦の使い分けが不十分だったのです。

― 「縦の階層に合わせた営業トーク」とは?

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 大垣での採用者が多いせいもあって、よく言えば生真面目ですが、かたい人間が多いのです。とにかく自分の知っていることを懇切丁寧に、イチから全部伝えようとするわけです。つまり、相手に合わせた使い分けではなく、自分の中にある設定どおりのトークをしてしまうのです。

日常業務ではそれぞれの担当を忙しく回っているため、自分や仲間がどういう営業をしているのか、それを観るチャンスはほとんどありません。

しかし、ロールプレイングやエクササイズでは、受講者がふだん、営業しているときの姿が非常によく見えてきました。そのため、こうした傾向があることに気づくことができたのです。

営業トークにおけるこれらの気づきは、今後の課題です。

気づきのエクササイズ

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山林 研修プログラムでは、アプローチから、プレゼン、クロージングと進み、その過程でバランスよくロールプレイングが入りました。

ただ、西野講師が終始、強調されていたように、「ロールプレイングは考える題材を提供する」ものであって、演じる人を評価するものではありませんでした。

演じられた内容をもとに、それを皆で解析していくことに重点を置かれた構成になっていたのです。お互いに話し合って解析していくことを繰り返すなかで、いかに自分たちで気づいていけるか、気づきのエクササイズになっていたことが非常に印象的でした。

研修の終盤には、受講者の気づきのレベルが深まっていったのが目に見えてわかり、非常によかったと思います。

困難な状況に遭遇しても、そこから逆転できる営業

 実際の営業場面で何か問題に直面した時、自分たちで気づいていけるということは、非常に有効な手だてとなります。

当社の営業マンの傾向として、自分の限界を決めてしまうのか、わりとあきらめが早いところがあります。

しかし、どんな状況からでもどこかに突破口があり、逆転できる。
このことはある程度、わかっていたつもりでしたが、西野講師の体験事例を伺って、あらためて思いを新たにすることができました。

山林 「営業というのは、お客さんの所に行ってセールスをしてくるだけではない。周辺を含めて固めていくことから営業ができる」という西野講師の言葉も、突破口を開いていくことに通じてますよね。

堀 今、自分でうまくいかないと思うところからも、その現状をきちんと観察し、皆で解析していくことで、突破口が必ず見えてくる。

この新しい次元の気づきは、今後、OJTでも、ぜひ部下に「絶対できないということはないんだ」と、伝えていきたいと思っています。

この研修のコツ、ツボ~トップセールスの力量にふれてみよう

― これから、この研修を受ける方へのアドバイスをお願いします。

堀 これだけ盛りだくさんの内容を2日間でやったわけですが、最初から最後まで、ほんとうに興味を持て、おもしろく受講できたのは、やはり西野講師の力量でしょう。

研修自体も非常におもしろかったのですが、もう一つ、私が興味を持って観ていたのは、実は西野講師自身です。

私も営業ですから、営業職の習性か、人を観て情報を取るということを一生懸命やっていました。西野講師の体験に基づく事例を聴いたり、また自らがトップセールスであった人の受け答えの反応がどういうものであるか、非常に得るものが多かったのです。

ですから研修を受ける方は、事前に西野講師がすごく困るような質問を用意し、研修に臨まれるとよいと思います。たとえばご自分の仕事の場面で困っているようなことをぶつけてみるのもいいでしょう。うんと難しい質問をして、西野講師がそれにどのような反応をとるのか、私自身もまた拝見してみたいと思います。

今後の期待

― マーキュリッチへの今後の期待とメッセージをお願いします。

堀 私は、今回の研修を受講する前に、マーキュリッチの「営業リーダー意識変革研修」も受けており、同じく西野講師のもとで厳しくも充実した時間を過ごせました。機会がありましたら、今度はマーキュリッチのまた別の個性的な講師の方にもお目にかかりたいと思います。

山林 今回、西野講師が言われた「話すというのはまとめること、聴くというのは気づきの部分」という言葉が心に残っています。コミュニケーションに視点を当てた研修があれば、またそれもおもしろいと感じました。

「イニシアティブ・セールス研修」は、お客様との営業場面に限るだけではなく、営業と工場の技術職、上司への報告、部下への指導の場面など、人と人が関わるさまざまなシーンにも応用が効き、活かすことができます。

今回の研修は、これからさまざまな場面で生きてくるものと思います。

― 日本リファイン様、本日は貴重なお話、ありがとうございました。

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*日本リファイン株式会社のwebサイト
*取材日時 2009年10月