「ニチガス」の愛称で知られる日本瓦斯株式会社(以下「ニチガス」)様は、LPガスや都市ガスを中心としたエネルギー供給を手がけている会社です。
マーキュリッチは2020年度、ニチガス様が実施している新入社員向け営業研修を担当いたしました。講師は当社の西野浩輝が務めました。新型コロナウイルス感染症の影響で、本来は4月実施予定だった研修が8月へと後ろ倒しになり、且つ感染拡大防止のためのさまざまな策を講じながらの研修になりました。
そんな中でマーキュリッチの研修にどのような感想を抱かれたのか、そもそもなぜマーキュリッチに研修を依頼されることにしたのかについて、人事部部長の真中健治様と人事部採用・研修課課長の宮山祐子様にお話を伺いました。
高い責任感・使命感とともに、数字にもこだわる営業職を育てたい
― 今回マーキュリッチでは、営業職として採用された新入社員の方を対象にした営業研修を担当させていただきました。そもそも御社の営業職の業務内容は、どのようなものなのでしょうか。
真中様 当社はガス会社です。ガス会社の営業職の業務は、大きく三つに分かれます。
まず一つ目はお客様サービスです。ガスが出ないとか、給湯器の調子が悪いといった連絡をお客様からいただいたときには、営業担当者が訪問をして確認や修繕等に当たることになります。
二つ目は地震や水害、落雷などの自然災害が発生した際の対応業務です。設備の点検を行うとともに、ガスの供給が止まってしまったときには、いち早く復旧に取り組むのも営業職の責務です。
三つ目が顧客の開拓、獲得です。2016年には電力自由化、2017年には都市ガスが自由化となり、お客様が電気・ガスの小売会社を自由に選べる時代になりました。当社も電力や都市ガスの小売分野に参入しているため、営業職には当社の料金プランやサービスの魅力をお客様に的確に伝え、顧客の獲得に結びつけていくことが求められます。
当社の営業職の中には、「社会のライフラインを預かっている」という公益性の高さに惹かれて、入社してくる者が数多くいます。確かにガス会社の社員には、社会的な責任感や使命感の高さが強く求められます。ただし一方で営利企業でもあるわけですから、営業職の社員はしっかりと数字にこだわることも大切になります。
公益事業に従事しているという「責任感・使命感」と、「営業力」の二つの資質・能力を兼ね備えた人材であることが、当社の営業職には求められます。
豊富なノウハウを理路整然とわかりやすく受講者に伝えてくれると感じた
― 新入社員向けの営業研修を実施している目的は何でしょうか。
真中様 当社は職種別採用をしています。営業部に配属になる新入社員は自ら営業職を志望したうえで入社してきます。とはいえ学校を卒業したばかりで、営業経験はないわけですから、「本当に自分はお客様と関係が築けるのだろうか?」「契約を取ってくることができるのだろうか?」といった不安も大きいはずです。
そこで研修を通じて、営業という仕事のやりがいや基本的な心構えを伝えることで、前向きな気持ちで仕事に就いてもらうことをねらいとしています。
― 今回、研修会社にマーキュリッチを指名してくださったのはどうしてだったのでしょうか。
宮山様 これまで新入社員向けの営業研修は、別の研修会社に依頼をしてきました。今回、マーキュリッチさんにお願いしてみようと思ったのは、ほかの研修で長年お世話になっているある講師の方から、「営業研修なら、マーキュリッチの西野さんがオススメですよ」と紹介いただいたことがきっかけでした。
お打ち合わせを何度か行う中で、おススメいただいた理由を実感することが出来ました。
西野さんは、営業に関する豊富なノウハウをお持ちで、そのノウハウを理路整然とわかりやすく伝えてくださいます。また、親しみやすさを感じさせる人柄にも魅力を感じました。結果、西野さんなら安心してお任せできそうだと判断しました。
受講者も前向きな姿勢で研修を受けてくれていた
― 実際の研修の様子を見られて、どのような感想を抱かれましたか。
宮山様 今回の研修は、新型コロナウイルスの感染拡大の防止を図りながらの実施となったため、進め方においてさまざまな制約がある中で、西野さんも大変だったことと思います。
また受講者も、営業職の新入社員だけではなく、ガスボンベの配送担当になった新入社員も受講対象に加えました。営業職の新入社員が大卒なのに対して、ガスボンベの配送担当の新入社員は高卒です。高卒社員の中には、数年後には配置転換で営業職に就く者もいます。また配送担当も営業職と同じく、お客様と良好な関係を築けるコミュニケーションが求められます。そこで受講対象に加えることにしたのです。
しかし大卒と高卒の4年間の差はやはり大きいですし、今携わっている業務も違います。「どこに焦点を当てて、どんなふうに進めていけば、大卒社員にとっても高卒社員にとっても学びの深い研修にすることができるか」という点でも、難しい研修になってしまったと思います。
ただ西野さんは、そんな中でも、受講者一人ひとりを前に立たせての発表やロールプレイの機会を数多く与えたうえで、丁寧なフィードバックをしてくださいました。受講者も非常に前向きな姿勢で受けていたなという印象があります。
4月に行っていた研修を8月に実施したことで思わぬ収穫が得られた
― 今回の研修は、本来は入社直後の4月に実施する予定でした。しかし新型コロナウイルス感染症の影響で、実際には8月の実施になりました。
宮山様 例年であれば、新入社員は4月に営業研修を受けたうえで現場に配属になります。しかし今回は順番が逆になり、数か月の実務経験を積んだ中での受講になりました。
そのぶん受講者は、「現場ではこんなふうに営業をやっているが、なかなかうまくいかない。一体なぜだろうか?」といった日々の営業活動における具体的な悩みや疑問、課題意識を持って研修に臨んでいたと思います。事実、受講者からは「研修を受けたことで、自分のやり方のどこを改善すればいいのかがわかりました」といった声が多く聞かれました。これは思わぬ収穫でした。
そこで、次年度以降は、まず入社直後に営業の基本を学ぶための営業研修を実施し、配属後数か月が経ち、受講者が自分の営業のやり方にいろいろと疑問や課題を持ち始めた時点で、もう一度フォローの研修を実施するというふうにすれば、より高い研修効果が得られるではないかと考えています。
これからも人材育成に関するさまざまな相談に乗ってほしい
― 最後にマーキュリッチに対する今後の要望がありましたら、教えてください。
宮山様 マーキュリッチさんには、新入社員向け営業研修のことだけではなく、例えばZoomを使ったオンラインでの研修のやり方など、いろいろなことでご相談に乗ってもらっています。マーキュリッチさんは、オンラインでの研修についてもいち早く手がけていらっしゃり、もし今後営業研修等の研修をオンラインで実施することになった場合でも、安心して頼むことができます。
真中様 マーキュリッチさんからは、若手の発信力やコミュニケーション力強化に関する研修や、高卒の新入社員の育成役を務めるトレーナーを養成するための研修など、研修だけでなく、今後の人材育成に関するさまざまなご提案をいただいています。これからも人材育成に関して、いろいろとご相談させていただければと思っております。
― こちらこそ今後ともよろしくお願いいたします。
※日本瓦斯株式会社 ホームページ
※取材日時 2020年12月
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