三菱インフォメーションシステムズ

三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社は、ICTを活用したコンサルテーション、システム構築、ソフトウェア開発、保守・運用、サービスなどを手がけている会社です。その中でもITソリューション事業本部ではシステムエンジニアをクライアント先に派遣し、システムの開発・運営・管理に関するサービスを提供する事業を展開しています。

同事業本部では、2016年度より若手社員を対象とした「ビジネス・プレゼンテーション研修」を実施しています。この研修の運営にあたっているITソリューション事業本部ITシステム事業部HRM推進部部長代理の阿部明子様と、HRM推進部キャリア開発推進課の木下由紀子様に、研修を導入した経緯や狙い・研修会社にマーキュリッチを選んだ理由についてお話を伺いました。

お客様に提案ができるエンジニアを育てたい

― ITソリューション事業本部様では、2016年度より若手社員を対象としたビジネス・プレゼンテーション研修を実施してこられました。この研修を導入した背景を教えてください。

阿部様 私たちの事業部では2016年度より、今後エキスパート(主任レベル)で活躍してほしい26歳から35歳位までの若手社員を、毎回20人程度選抜して、約半年間にわたってさまざまな研修を受講してもらうプログラムを実施しています。ビジネス・プレゼンテーション研修は、そのプログラムの一つとして取り入れました。

若手社員に求めるスキルや能力の中でも、特に高めたいと考えているのがコミュニケーション力や表現力です。そのためビジネス・プレゼンテーション研修以外にも、コミュニケーション研修やロジカル・ライティング研修などの研修を導入しています。

― ITソリューション事業本部様の場合、社員の多くをエンジニアが占めておられますね。研修の受講者も、一部営業職の方もいますがほとんどがエンジニアです。エンジニアにも、コミュニケーション力や表現力が求められるということでしょうか。

木下様 当社のエンジニアは、お客様先に常駐してシステムの開発・運営・管理にあたるという働き方が中心です。従来はお客様からの要望に忠実に応えていれば、それで良しとされてきた時代がありました。しかし今の時代はIT業界も、それだけでは事業の成長が望めなくなっています。

お客様先に常駐しているということは、お客様が抱えている課題や状況をもっとも近くで把握することができますし、近くで人間関係を築いたうえで次のビジネスにつながる提案ができる立場にあるはずです。そうしたことを実現するために、若手社員の「言われたことだけやればいい」という受け身の意識を変えるとともに、実際にお客様とコミュニケーションを取りながら適切な提案ができる力を育みたいと考えたのです。

事前に講師と細かい打ち合わせができたのがよかった

― 研修会社としてマーキュリッチを選ばれたのはどうしてだったのでしょうか。

阿部様 研修会社を選ぶにあたって何社かお声がけをしたのですが、ほかの会社は営業担当の方だけが来社されて研修内容についての説明をされました。ところがマーキュリッチの場合、営業担当と一緒に講師である野村さんご自身が直接当社に来て、いろいろとお話をしてくださいました。

そのおかげで、こちらの要望を直接野村さんにお伝えることができましたし、野村さんのお人柄や、どんなスタイルで、何を大切にして研修を行っているかについても、具体的に伺うことができました。それで「マーキュリッチだったら、安心してお願い出来る」と判断したのです。

多くの研修会社さんでは、こちらの要望は営業担当を介して講師に伝えられ、講師の方と実際に打合せをするまでにも時間がかかったり、こちらの意図通りの要望が講師に伝えられていなかったりといったことも稀にあり、「あれ? こんな研修を望んでいたわけではないのに」ということになりかねませんが、マーキュリッチの場合はその心配はまったくありませんでした。

もう一つ大きかったのが、野村さん自身がかつてシステムエンジニアだったということです。システムエンジニアの仕事内容や仕事環境、プレゼンテーションにおいて抱えがちな課題について肌感覚でわかっていらっしゃいます。ですから野村さんであれば当社の受講者の状況や抱えている課題にフィットした研修をしてくれそうだという思いもありました。

― 研修にあたっては「自分が伝えたいことを、わかりやすく簡潔に相手に伝えられる力を伸ばしてほしい」ということを特に要望されていましたよね。

阿部様 そうですね。弊社のシステムエンジニアによくある傾向として、聞き手の興味関心や知識レベルに関係なく、自分が知っていることをとくとくと喋ってしまうことが挙げられます。これではこちらの提案が通るわけがありません。聞き手のことを意識したうえで、相手に応じた話し方ができるようになってほしいと考えました。それとなんでも引き受けるのではなく、状況に応じては上手く断ることも学んでほしいと思いました。

相互フィードバック後に、受講者の姿が見違えるように変わった

―マーキュリッチの研修内容については、どのような評価をされていらっしゃいますか。

木下様 マーキュリッチの研修では、受講者を4~5人のグループに分けて、グループ内でお互いに模擬プレゼンをさせたうえで、そのプレゼンの良かった点と改善点をフィードバックし合うということを重視していますよね。この受講者同士のフィードバックが非常に効果的だと感じました。

というのは、フィードバックを受けたあとにもう1回プレゼンをさせると、話の組み立て方や立ち振る舞いが見違えるように変わる受講者が何人もいるからです。他者から的確な指摘を受けることが、自分の現状を見つめ直して改善していくうえでのヒントになっているのだと思います。

そうした受講者同士のフィードバックが的を射たものになるようにも指導してもらっていることも大きいです。

阿部様 受講者にとってフィードバック力を高めることは、彼らの将来に大きなプラスになるはずです。これからエキスパートや課長といったポジションにつけば、日々部下に適切なフィードバックを行うことで、部下の成長をサポートしなくてはいけなくなるわけですから。

マーキュリッチの研修では、なぜか受講者が自ら積極的に発言する

― マーキュリッチの研修について、受講者からはどんな感想が出ていますか。

阿部様 大変好評です。「研修で学んだスキルやテクニックを、今度はお客様に対してぜひ使ってみたい」といった感想や、受講後に主任に昇進した社員からは、「自分の部下にも是非受けさせたい」といった声が寄せられています。

2017年度には、半年間のプログラムの実施後に取ったアンケートで、もう一度受けてみたい研修としてビジネス・プレゼンテーション研修を挙げる受講生が多かったため、2017年度にはフォローアップ研修として、野村さんに再度研修を実施してもらったことがありました。

― そうでしたね。フォローアップ研修についてはどんな評価をされていますか。

阿部様 単にプレゼンテーション・スキルを伸ばすことを目指した研修ではなく、顧客が抱えている課題をどのように把握し、それをどう提案に結びつけていくかを意識した研修になっていました。受講者数が少なかったこともあり、野村さんが受講者をマンツーマンで指導する場面も多く、非常に中身の濃い内容だったと思います。受講者からも「実際に目の前のお客様への提案に役立てることができた」という感想がありました。

― 2016年度から始まった「ビジネス・プレゼンテーション研修」も、19年度で4回目になりました。その間、ずっと研修会社としてマーキュリッチを選び続けていただいている一番の理由は何でしょうか。

木下様 やはり野村さんがシステムエンジニアのことをよくご存じであり、研修の中で取り上げる話題や演習などが、社員のリアルな実情に即したものであることが大きいと思います。 当社の若手社員はとてもおとなしくて、普段の研修では自分の意見を述べたり質問をしたりといった姿がほとんど見られません。

ところが野村さんが講師のときには、なぜかみんな積極的に発言するようになります。これは野村さんが受講生から上手に言葉を引き出してくださっているのとともに、受講者の間に「この講師だったら、自分の疑問や悩みを打ち明けたときに、きっと適切なアドバイスをしてくれるはずだ」という野村さんへの信頼感が生まれるからではないかと思います。

― そうおっしゃっていただけると大変うれしいです。本日はどうもありがとうございました。

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※取材日時 2019年7月
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