JT(日本たばこ産業株式会社)は、単体で約7500人、グループ全体で約6万5000人の従業員が働いている日本を代表する企業です。マーキュリッチでは2012年度より、JTグループのあらゆる職種、職位の社員を対象にした公募型のタイムマネジメント研修(正式名称:120%のパワーを発揮する!タイムマネジメント研修)を担当しています。

講師は当社の西野浩輝が務めてきました。同研修は、2020年度はオンラインでの実施となりました。コーポレート人事部主任の永井真結様に、当社が提供している研修に対する評価と、オンラインでの研修に対する感想や手応え、今後の展望についてお話を伺いました。

小手先のスキルの習得にとどまらない研修

― マーキュリッチでは、2012年度より御社のタイムマネジメント研修に携わらせていただいています。まずは御社におけるこの研修の位置づけを教えてください。

永井様 当社では、どんな職種やポジションの社員でも必要となるポータブルスキルを身につけてもらうことを目的に「LIGHT UP SKILL」(2020年8月までの名称はストライク研修)という研修プログラムを設けています。「LIGHT UP SKILL」は、約20講座の集合型研修と数百種類のeラーニングメニューより構成されており、タイムマネジメント研修は集合型研修の一つとして実施しているものです。定員の範囲内であれば、希望すれば誰でも受講することができる公募制の研修です。

「LIGHT UP SKILL」のメニューは、毎年見直しをかけていますが、タイムマネジメント研修に関しては2012年度以降ずっと継続実施しています。タイムマネジメントは、誰もが共通して悩むことの一つです。ですから研修に対するニーズが非常に高く、また研修後の満足度も高いのが、実施し続けている一番の理由です。上司や同僚から「あの研修は良かったから受けてみたら?」と勧められて、受講する社員も多いようです。

― 研修会社にマーキュリッチを選んでいただいている理由は何でしょうか。

永井様 フレキシブルに対応してくださることが大きいですね。

タイムマネジメント研修は、JT-グループの全社員を対象とした公募型の研修ですから、「前回の受講者はマネジメント層が多かったが、今回は若手が多い」というように、実施する回ごとに受講者の属性や年齢層などが若干異なってきます。それに対して講師の西野さんは、その都度受講者の特性を見極めながら、研修の内容をチューニングしてくださいます。ですからマーキュリッチさんであれば、安心してお任せすることができます。
 
また単なる小手先のスキルを習得する研修ではなく、仕事に対する根本的な考え方を学べる研修になっていると思います。

当社の社員は、何事にも細かく丁寧に取り組む傾向が強く、「そこまで本当にやる必要があるの?」と思う場面もしばしばあります。そんな受講者に対して、いつも西野さんは、「そもそもこの仕事の目的は何か」という根本に立ち戻って物事を考え、優先順位をつけ、取捨選択することの大切さを話されますよね。「タイムマネジメントとは、単なる時間のやり繰りではなく、仕事に対する判断軸を養っていくことなんだ」というメッセージを受講者に伝えてくださっています。

オンライン研修の運営ノウハウを持っていたので、安心してお願いできた

― 2020年度はコロナ禍の中で、オンラインで研修を実施することになりました。

永井様 今年度はタイムマネジメント研修に限らず、すべての「LIGHT UP SKILL」のプログラムをオンラインで実施しました。まったく初めての取り組みでしたので、当日の運営はもちろんのこと、事前にどんな準備をすればいいかもよくわかっておらず、最初のうちは不安でいっぱいでした。

また当社では、オンラインでのミーティング等の際に通常はTeamsを使っています。何社かの研修会社にお問い合わせしたところ、「Zoomならできますが、Teamsはちょっと……」と言われてしまい、そこも大きな不安要素でした。

ところがマーキュリッチさんに相談したところ、「Teamsでもできますよ」と即答いただき、なおかつマーキュリッチさんが作成してYouTubeにアップロードしている「企業研修をオンラインでおこなう際、Teamsでブレイクアウトルームセッション(グループワーク)を実施する方法」という動画を紹介してくれました。

この動画を観たことで、Teamsでも十分に研修が可能であることがわかりました。またマーキュリッチさんが、Teamsでのオンライン研修の運営ノウハウをお持ちであることもよくわかり、不安を取り除くことができました。

ただし実際には、マーキュリッチさんと打ち合わせを重ねる中で、「今回は運用面を重視して、TeamsではなくZoomでやってみよう」ということになりました。

― 今回は本番を前に入念なリハーサルも実施しました。

永井様 「講師・事務局・受講者役に分かれて、本番を想定したリハーサルをしましょう」と提案していただいたのは、研修会社の中ではマーキュリッチさんが最初でした。対面での研修とオンラインでの研修では、事前準備の内容や当日の運営で注意しておくべきことが大きく違ってきますのでリハーサルができたのはとても良かったですね。

またリハーサルの際には、オンラインでの研修をおこなうにあたっての設備環境や人的サポート、当日の研修運営についての注意点などをWordにまとめた「オンライン研修前チェックリスト」を渡してくださいました。あのチェックリストはものすごく役立っていまして、ほかのオンライン研修の準備の際にも使用させていただいています(笑)。

他社に先駆けて、マーキュリッチさんに一番最初にリハーサルをやってもらって大正解だったなと思っています。今ではほかの研修会社にも、必ずリハーサルをお願いしています。

1回目の研修と2回目の研修の間隔を空けたことで、学びの質が深まった

― 研修の内容については、どんな感想を抱かれましたか。

永井様 タイムマネジメント研修は、従来は終日1日で開催していました。けれども今回はマーキュリッチさんから、「オンラインだと集中力を持続させるのが難しい部分もあるので、少し工夫しませんか」と提案をいただき、これまで1日でやっていたものを半日に分けてそのうえで2日間開催にすることにしました。

これは単に「研修中の集中力を持続させる」という点だけではなく、「研修で学んだ内容と実務を有機的につなげることで、研修効果の最大化を図る」という点でも非常に良かったと思います。

というのは、今回は研修の1回目と2回目の間隔を2週間ほど空けましたよね。受講者はまず1回目の研修でタイムマネジメントの考え方とノウハウを学んだうえで、職場に戻って学んだことを実践します。するとそこで新たな気づきや疑問、課題が浮かび上がってくることもあると思います。その疑問や課題を持って2回目の研修を受けることで、学びがより深いものになっていきます。

対面での集合型研修だと、一つの研修を2回に分けて実施するというのは、特に遠方から研修会場に来なくてはいけない受講者にとって負担が大きく、難しいところがあります。けれどもオンラインでの研修であれば、自宅や職場でも受講できますから、2回に分けることの負荷はほとんどありません。オンラインの特性を活かした提案をしていただけました。

― 当日の研修の様子を見学されていて、印象に残ったことは何かありますか?

永井様 オンラインでの研修の場合、受講者は別々の空間にいるので、講師が「場の空気」を作っていくのが難しいという問題があります。空気感を共有できないと、受講者の当事者意識も下がってしまいます。

そんな中で西野さんは、オフライン以上にエネルギッシュさを発揮しながら受講者を研修に巻き込み、オンライン空間を一体感のある場に仕立て上げていました。これには、「さすがプロだな」と感心させられました。

また、受講者に適宜質問を投げかけて、チャットに回答を投稿させるなど、受講者に研修を受け身にさせず、自分事にして考えさせる工夫も随所に取り入れていらっしゃいました。

あとは研修中の西野さんの仕切りのうまさ自体が、受講者にとっては「会議の場ではこんなふうに仕切っていけばいいんだな」と、会議におけるタイムマネジメントの勉強にもなったと思います。

対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド型研修の可能性

― 最後に今後の研修計画について教えてください。

永井様 タイムマネジメント研修については、オンラインによる研修でも十分な研修効果が得られることがよくわかりました。今後は、在宅勤務の増加などの社員の働き方が多様になっていることへの対応として、同じ研修を研修会場で対面で受けている受講者もいれば、自宅で受けている受講者もいるというように、対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド型の研修などにも挑戦してみたいと考えています。その際にはまたご相談させてください。

― はい。こちらこそ今後ともよろしくお願いいたします。

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※取材日時 2020年12月
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