弊社代表の西野がシンガポールの情報誌「Asiax」で『ビジネス4賢者が送る成功への道しるべ』で記事を連載しています。サイトを訪問してくださった皆さまに向けて、これまでの記事を随時更新していきます。
個性、自分らしさを際立たせるプレゼンテーションのコツ
今まで見てきたプレゼンの中で、印象に残っているものはどんなものがありますか? そしてそれはなぜ印象的だったのでしょうか?
いろいろな理由が挙がると思います。テーマが新鮮で面白かったから、聞きたい解決策を提示してくれたから、など。その中に『話し手の人柄に魅かれたから』というのもあったのではないでしょうか?
人は論理だけで話を聞くのではありません。感情も重要な判断軸になっているのです。
上記の『人柄に魅かれた』というのは、あなたの感情にうまく訴求する形でその話し手の個性・らしさが表現されていたのです。このことからわかるように、プレゼンにおいて個性を生かすことは極めて効果的です。
とはいうものの、多くの方にとっての疑問は、「自分はどういう個性を持っていて、それをプレゼンにどう生かしたらいいか?」ということでしょう。
4タイプのパーソナリティ分類
これまでの私の指導経験から、図に示すように話し手のパーソナリティを4つのタイプに分けることができます。
マトリクスの縦軸は、Light(愛嬌、壁のなさ、近寄りやすさ)とHeavy(威厳、重厚感)。横軸は、Intense(情熱的、感情豊か)とCalm(穏やか、落ち着き)です。それぞれの象限ごとに、その特徴・プレゼンにおけるコツをお話しましょう。
●Light(近寄りやすさ)×Intense(情熱的)
典型例は、明石家さんまさんです。明るい性格がそのまま話し方に反映されており、楽しい雰囲気でプレゼンをします。反面、軽い印象になって信頼性を損ねるリスクもあります。リズムよく話しながらも時にスローダウンし、真面目な表情で、神妙に語る部分を入れるといいでしょう。
Light(近寄りやすさ)×Calm(落ち着き)
典型例は、池上彰さんです。穏やかな話し方をするため、安心感や親近感を抱かせます。比較的日本人に多いタイプと言えるでしょう。いい人と感じさせる反面、印象に残りにくいというリスクがあります。時に言い切るような強いメッセージ性のある言葉を使うと効果的です。
Heavy(重厚感)×Intense(情熱的)
型例は、小泉純一郎元首相です。威厳と意思の強さを感じさせ、存在感が大きいタイプと言えます。言葉に重みがある反面、威圧的で人によっては押し付けられている感覚を持つリスクがあります。時に大きな笑顔を見せるとそのギャップによって、親近感が増し効果的です。
Heavy(重厚感)×Calm(落ち着き)
典型例は、故スティーブ・ジョブズ氏です。一言でいうならクールでスマートなプレゼン。言葉にシャープさがあり、カッコいいと映る反面、冷たい印象を持たれがちです。ところどころ問いかけや質問を織り交ぜて、聴衆と感情的につながるような工夫をするといいでしょう。
自分のパーソナリティがどのタイプに属するか?
最後にこのマトリクスを効果的に活用する方法をお話しします。まず自分がどのタイプに属するかを考えます。
次に、自分と同じタイプで目指したいプレゼンターを挙げ、その人がプレゼンする場面をありありと想像します。
その上で、自分のプレゼンやリハーサルの場面で、その人になり切ったつもりでやってみるのです。そうすることで、その人のプレゼンに近づくことができ、かつあなたの個性が際立つプレゼンになっていくはずです。