弊社代表の西野がシンガポールの情報誌「Asiax」で『シンガポールで実践!英語プレゼン』のテーマで記事を連載しています。サイトを訪問してくださった皆さまに向けて、記事を随時更新していきます。
「来月に大事な英語プレゼンが控えている。しっかり備えたいが、さて一体何をどう準備したらいいのか・・?」
そう頭を悩ませる人は少なくないのでは? そんなあなたのために、今回は成功する英語プレゼンの準備のコツをお伝えします。
「プレゼンの中身を考える」ことと「英語表現を考える」ことは分ける
準備におけるキーワードは、ズバリ『分解』です。
多くの人は、一気に資料を仕上げようとしすぎです。それが故に取り掛かるのが遅れたり、大事なところに時間をかけ切れなかったり。最終的に今一つのプレゼンになってしまう・・。
ポイントは、準備工程をしっかり分解し、1つ1つハードルを越えていくことです。
まず大前提は、母国語で考えて内容を練り上げ、その上で英語に直すこと。
ある調査によれば、第二言語を使うだけで思考力が30%落ちるというデータが出ています。
「プレゼンの中身を考える」「英語表現を考える」という2つの大きなタスクを同時に行うのは究極に難しい並列作業です。まずはこれらを分けましょう。
プレゼンはライブであり、ショーである
その上でどのように資料を準備するか?
これも3つに分解します。①話す内容を洗い出す、②構成を考える、②図解で表現する。
1つずつ見ていきましょう。
①話す内容を洗い出す。
このフェーズでは構成や言い回しなど気にしてはいけません。
とにかく漏れなく出し切る。
その際、『伝えたいこと』と『相手が聞きたいこと』の2つの観点で考えると出やすくなります。
前者なら、紹介する製品の特長や競合他社との違いなど。後者なら、聞き手のお困りごとや解決法、他クライアントの導入事例などです。
②構成を考えるプロセス
実はグローバルスタンダートと言えるプレゼンシナリオの型が存在します。名称は幾つかありますが、我々はサンドイッチフォーマットと呼んでいます。
大きくは、イントロ、ボディ、コンクルージョンの3部で構成されています。
ではそれぞれのパートで何を押さえたらいいのか?
イントロでは、プレゼンのテーマやゴールを示し、聞き手が抱えていそうな問題を提示します。
その上でボディでは、メインメッセージ(=コアコンセプト)とそれを支える3つのポイントならびに詳細を説明します。コンクルージョンは『締め』のようなもの。ボディで言及しきれなかったものに触れます。導入のステップや使用者の声といったものが典型的です。
日本人は得てして起承転結で話しがちですが、避けた方がいいでしょう。というのも起承転結だと前置きが長くなり、わかりにくいプレゼンになるのです。
英語プレゼンでは特に結論ファーストのプレゼンが好まれるので、サンドイッチフォーマットをお勧めします。
③図解による表現
図解というと写真やイラストのイメージを持ちがちですが、それはプレゼンのメインではありません。
プレゼンにおける資料の一番の役割は何でしょうか?
答えは『聞き手の理解の促進』です。
したがって、論理を図で示したものを中心に表現すべきです。
ここまで作り込んだうえで、やっと英語に直します。
英訳も決してたやすくはありませんが、プレゼンの根幹はロジックです。
上記のステップに沿って準備すれば、仮にやや英語が稚拙でも十分に伝わるはず。自信を持ってプレゼンに臨みましょう。