弊社代表の西野がシンガポールの情報誌「Asiax」で『シンガポールで実践!英語プレゼン』のテーマで記事を連載しています。サイトを訪問してくださった皆さまに向けて、記事を随時更新していきます。

前回の記事では、英語プレゼンをする際に「遠慮がちに話すのでなく、堂々とプレゼンしよう」という話をしました。

では堂々としさえすればいいのでしょうか?

もちろんそうではありません。今回はどんなプレゼンがグローバルで好まれるのかをより具体的にお伝えします。

 グローバルプレゼンで好まれる要素

まずはグローバルプレゼンとしての2つの好例を挙げてみたいと思います。

1つは、TED。

各分野の識者によるプレゼンを通じて様々なアイデアや知恵を世の中に広める活動を行っている世界的団体です。英語で行われることが多く、まさにグローバルで求められるプレゼンを体現しています。まだの方はぜひネット検索して見てみてください。

もう1つが故スティーブ・ジョブズがマックワールドにて初代iPhoneを発表した際の伝説のプレゼンテーションです。こちらもネットで視聴することが可能です。

この2つには多くの共通点があります。

もちろんそれを全て自身のビジネスプレゼンに取り入れるのは至難の業でしょう。したがって特に重要でかつ日本人としても取り入れやすい要素を抽出して解説していきます。

1.聴衆を巻き込むこと

1つめのコツは、聴衆を巻き込むこと。

語り掛けるように話したり、問いかけをしたりするといいでしょう。うまいTEDプレゼンターはこれを頻繁に行っています。

たとえば、“2 days for 50%, 3 days for 85%, what do you think these data are?”といった風に。

一番シンプルで確実なやり方は、上記の例のようにWeやIでなく、『You』を主語にした文章をところどころに挿入すること。そうすることで聞き手を巻き込み、一体感を作っていくことができます。

2.聞き手の感情に訴えること

2つめのコツは、聞き手の感情に訴えることです。

日本人は得てして製品のスペックを長々と語るなど、論理に訴求することに徹しがち。ただこれだと、あっという間に聞き手は退屈してしまいます。

感情に訴求することで聞き手は、心が動かされて前のめりになっていくものです。

たとえば、「多くの人は気づかずにこんな危険なことをしています」といって危機感を煽ったり、「この製品を導入することで、○○が解決され、将来的に××に悩まされることが全くなくなります」という風に未来を示してワクワク感を醸成すると効果的です。

上記のジョブズのマックワールドのプレゼンを例にとってみましょう。

「2年半もの間、私はこの日を待ちわびてきた」、「数年に一度、全てを変える革命的な製品が現れる。本日、革命的な新製品を3つ発表します」と言って期待感を見事にくすぐっています。

このように、聞き手のどの感情にどうアピールするかを考えてプレゼンを設計したいものです。

 3.自分が楽しむこと

3つめは、何よりも自分が楽しむこと。

グローバルシーンでは、仮にビジネスプレゼンであっても、聴衆は多かれ少なかれプレゼンを楽しみたいと思っています。

そしてそのための大前提は、話し手が楽しそうに話すことです。

だからこそ、英語プレゼンでは笑顔やボディランゲージ、抑揚などを用いて生き生きと語るのがより重要視されるのです。

 プレゼンはライブであり、ショーである

これら3つの要素を包括するコンセプトは、「プレゼンはライブであり、ショーである」と理解せよということ。

前述のTEDプレゼンにせよ、マックワールド・プレゼンにせよ、聴衆を楽しませるために徹底的に磨き上げ、何度も何度もリハーサルをしていると聞きます。

そして当日はそのショーを自ら楽しみながら、ステージで演じ切るのです。

もちろん多くのビジネスプレゼンではそこまでの大きな舞台は用意されませんが、要素としてはそのまま適用できるはず。

「巻き込む」「感情に訴える」「楽しむ」を肝に銘じて、グローバルシーンで賞賛されるプレゼンテーションを実現してください。