1on1ミーティングが注目されている理由
終身雇用の崩壊や転職市場の広がり、共働き家庭の増加やリモートワークの浸透など、個人を取り巻く環境は大きく変わり、働き方や価値観が多様化したことから、各々が求める成功や幸せの定義も変化しています。
これらの時代背景から、企業と社員の結びつきは以前ほど強固なものではなくなりつつあり、社員が会社に所属し続ける理由が減じているといえます。
そんななか、企業がこれからも継続的に成長し価値を高めていくには、社員が成長を実感できる環境を用意し、エンゲージメントの向上を図っていかなければなりません。
そのためには組織を率いるマネジャーが部下1人ひとりとの「対話」をより大切にする必要があり、その重要な「いち手段」として1on1ミーティングが注目されています。
1on1ミーティングとは?
1onミーティングとは、定期的に部下と上司が1対1で行うミーティングのことです。ただし、通常のミーティング(業務の相談や目標設定、評価フィートバック等)とは異なり、上司が部下の話を聞き、部下の状況や思い、問題などをすくい上げていくことが目的となります。
つまり、業務そのものではなく「部下個人」にフォーカスしたミーティングの場を指します。
1on1ミーティングによって得られる効果
1on1ミーティングを取り入れることの効果は複数あります。
1つめに挙げられるのは、コミュニケーション量が増え、同時に上司が部下へ真摯に向き合うことで「信頼関係の強化」が図れること。2つめに、部下が自分の思いや考えを積極的に口にする環境が用意されることにより主体性が育まれ、かつ「満足度・幸福度」が高まることが挙げられます。
3つめに、組織全体で見た場合、離職防止、生産性向上、メンタルの予防など、効果が広く伝播することが期待できます。
1on1をミーティングを取り入れたがうまくいかない原因
しかし、1on1ミーティングを既に導入しているにもかかわらず効果が出ない、機能していないと感じてらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
1on1を単なる短時間のマンツーマンのミーティングと捉えてしまうと、本来の「部下個人」へのフォーカスが失われ、部下のモチベーションやマインドに影を落とすことになりかねません。
以下の状態に陥っている場合は、1on1ミーティングが機能しているとはいえないでしょう。
- 気づいたら、上司ばかりが話している
- 上司が状況を掴まずすぐアドバイス、説教、演説をしてしまう
- 準備不足のせいで、ただの世間話に終始する
- 情報交換のみで終わる
- 「○○社の件についてですが・・」、「××の件って、今どうなってる?」といった案件や進捗の確認の場になる
- 部下が本音を話さず、表面的な会話で終始
- 無理やりアクションプランに持っていき、やることがどんどん増える
- 詰問をしてしまう
このような状態になっている一番の理由は、上司が1on1ならではの進め方やスキルを習得出来ていないことです。
当社の「1on1ミーティング力向上研修」では
上記の問題を解決すべく当社の研修では主に上司向けに対象をしぼり、3つの観点(マインド・進め方・スキル)をバランスよく学んでいただくとともに現場での実践を後押しした内容になっています。
1.重要性と正しいマインドを刷り込む
なぜ、1on1ミーティングが重要なのか、通常のミーティングと異なることは何なのかをはじめに理解し、1on1ミーティングを通じて得られる効果、上司と部下それぞれの意義について事例をもとに学んでいきます。
また、上司がもつべきコアのマインドは何かを知り、1on1ミーティングの効果を最大限に引き上げる考え方を習得します。
2.効果的な進め方を学ぶ
1on1ミーティングを行う前の準備、部下の心理的安全の確保や話しやすい雰囲気づくり、本題に入る前のアイスブレークの方法や目的の共有方法など、進め方においてのポイントをおさえながら学んでいきます。
3.スキルを磨き上げる
1on1で必要な傾聴や質問等のスキルを体験学習を通じて習得していきます。また、オンラインでのミーティングにおけるコミュニケーションの注意事項など、具体的ですぐに使用できる内容になっています。
ゴールと効果
- 「1on1ミーティング」の重要性とパワーを理解し、自身のマネジメントと部下コミュニケーションをさらに強化する
- 効果的な「1on1ミーティング」の進め方とスキルを学び、現場での実践に役立てる
- 自分自身の部下コミュニケーションの現状を見つめなおし、さらなる改善・成長の方向性を明確にする
研修を通じて上司の1on1ミーティングにおけるスキルを向上させるとともに、部下の自立・自燃・自走を引き出すマネジメントの実現を加速させることをゴールとしています。
研修の特徴
「1on1」に関する考え方・進め方・スキルを偏りなく、かつ体系的に学べる内容
- 1on1ミーティングに必要なマインドの持ち方をはじめ、1on1ミーティングの具体的な進め方をステップごとに学べ、傾聴や質問など必要なスキルの付与、オンラインでのコミュニケーションに至るまでカバーしたプログラム内容になっています。
随所に挿入されているワーク・演習を通じて、学びを深め、自分ごと化できる研修設計
- ただやり方を覚えるのではなく、セッション内に設けてある複数のワークを通じて自分に落とし込むことで、気づきを得るとともに血肉に変えていくことができます。
ロールプレイを通じてスキルを磨き上げ、相互フィードバックを通じてその場で改善していけるプログラム
- 研修では個人で行うワークや演習だけでなく、受講者同士で行う相互フィードバックや講師からのフィードバックを通じて、研修内で学んだことを実践、改善が行えるセッションを用意しています。
プログラム内容
1.1on1の定義と重要性
- 「通常の1対1ミーティング」との違い
- 1on1で得られるビジネス上の効果
- 上司・部下にとっての意義
- 1on1の成功事例
- 【演習】「1on1」実施にあたっての不安・懸念点を洗い出す
2.1on1の概要
- 1on1の時間、頻度、形態
- 1on1のテーマの選び方
- 【演習】自身の部下コミュニケーションの課題把握チェックリスト
3.正しいマインドを定める
- 1on1におけるありがちなNG
- 上司が持つべきコアのマインド
- なぜ上司は話しすぎてしまうのか?
4.1on1の準備
- 制度導入時の必要アクション
- 複数の「Why」を刷り込む重要性とコツ
5.1on1の進め方
- 1on1 基本5ステップ
- 各ステップでの進め方と注意点
- 1on1が形骸化しないための鍵となるアクション
6.1on1で使うスキル学習
- 部下の自立・自燃・自走を導く「傾聴」と「質問」のスキル
- 【演習】自分自身の傾聴スキルの現状把握
- 傾聴 3つのコアスキルと4つのテクニック
- 【演習】傾聴エクササイズ
7.オンラインで効果的な1on1を行うコツ
- オンラインコミュニケーションの課題の根幹
- 「2重の目減り」を理解することで多くの問題は解決する
- 聴き方の工夫 4つのポイント
- 【演習】ビデオ撮影を通じた自身の振り返り
8.質問のスキル
- 部下の全体状況を掴むためのマトリクス
- 部下の思考を促進する3つのアクション
- 相手をエスコートするための「例」の提示
- 演習:「質問」に関するチェックリスト
- 相手の感情ケアの基本的な流れとメソッド
- 随所で使うと便利な応用テクニック
9.総括ロールプレイ
- コーチングロールプレイ
- 講師からのフィードバック
- メンバー相互のフィードバック
- ビデオプレイバック
10.1on1が定着する風土作りのポイント
テキストのスライドイメージ
講師紹介
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。
野村尚義
15年間で20,000人のプレゼンを指導してきたプレゼン・アドバイザー。いつも選ばれ続けるトップ1%のプレゼンの分析から、成果直結型のメソッド"ダイヤモンド・プレゼンテーション戦略"を体系化し、それを用いた指導をおこなっている。
マネジメントに関する課題をお持ちの方へ
マーキュリッチではマネジメントに関する課題を解決する研修をいくつか用意しています。1on1ミーティング力だけでなく、他の研修に興味をお持ちの方は以下のリンクからご確認ください。
研修の検討・導入プロセスについて
研修の検討・導入プロセスの詳細はこちらのリンク先をご覧ください