株式会社東急コミュニティー様は、マンション管理運営やマンションの大規模改修工事、ビル・施設管理運営などを手がける大手総合不動産管理会社です。同社では、将来的に部門長のポジションを担う立場にある社員を対象に、選抜型の研修プログラム「次期部門長養成コース」を実施。

そのプログラムの一つとしてプレゼンテーション研修が導入されており、マーキュリッチ代表の西野浩輝が講師を務めています。人事部人事企画課 主幹の小林将大様に、研修会社にマーキュリッチを選んだ理由や、研修内容に対する評価等についてお話を伺いました。

組織内の立場が上になるほど、プレゼン力が求められる

― マーキュリッチの西野浩輝は2018年度より、御社が次期部門長養成コースの中で実施されているプレゼンテーション研修の講師を務めています。まずは次期部門長養成コースの概要について教えてください。

小林様 次期部門長養成コースは名前のとおり、今後、各部門の部門長のポジションを担う立場となる室長・マネージャー層を対象としたコースです。

社内の各部門から選抜された8名程度の受講者が、部門長としての心構えや経営環境分析の手法、財務の知識などについて1年をかけてじっくりと学んでいきます。そのうえで、学びの締めくくりとして、「自分が部門長になった時の組織戦略」というテーマで役員層に対してプレゼンを行います。マーキュリッチさんにはその前段にプレゼンテーション研修をお願いしています。

次期部門長養成コースは10年近く前から実施していますが、当初はこのコースの中に、プレゼンテーション研修は含まれていませんでした。ですが、回を追うごとに受講者のプレゼンを聞く役員層から「プレゼンテーションのスキルも高めていく必要があるのではないか?」という声が出たことにより、2018年より導入することにしました。

― なぜ役員層から「プレゼンテーションのスキルも高める必要があるのではないか?」というお声が出たのでしょうか。

小林様 組織において、立場が上になればなるほど、社内外に及ぼす影響力もより広く・大きくなります。そして、プレゼンテーションについてもより高いスキルが求められるようになります。

例えば部門長として、頭の中ではどんなに優れたビジョンを思い描いていたとしても、それをわかりすく魅力的なかたちで部下に伝えるスキルがないと、部門全体を巻き込み動かすことはできません。

今後部門長を担うことが期待される社員に対して、「ポジションに見合うプレゼンテーションスキルを身につけてほしい」という役員層の思いから、プレゼンテーション研修が導入されるようになりました。

常に研修内容をアップデートしていこうという姿勢とスピードの速さに高い信頼感を抱く

― 次期部門長養成コースの中でのプレゼンテーション研修の講師をマーキュリッチに依頼されている理由は何でしょうか。

小林様 マーキュリッチさんには、若手や中堅社員を対象にした希望制のプレゼンテーション研修を10年以上にわたってお願いしてきています。

マーキュリッチさんは毎回研修の中で、「ビジネスの場で話すことのすべてがプレゼンである」というメッセージを受講者に発信してくださいます。

お客様に対して提案を行う場面だけがプレゼンではなく、社内会議やミーティングでのちょっとした発言も、部下への指示や指導する場面での発言も、すべてがプレゼンであるという意識は、ぜひ当社の社員にも身につけてほしいことです。

私たちがプレゼンに関して社員に打ち出したいメッセージと、マーキュリッチさんがプレゼンについて打ち出しているメッセージが一致していることが、マーキュリッチさんにプレゼンテーション研修をお願いしている大きな理由です。

また、内容に対する安心感があったことや、他社において上位層向けのプレゼンテーション研修の実績があることも知っていたので、「是非、次期部門長養成コースのプレゼンテーション研修もマーキュリッチさんにお願いしたい」と判断しました。

マーキュリッチさんは、研修内容のブラッシュアップにも常に貪欲です。例えば数年前には、スマートフォンの普及に合わせて受講者に自分のプレゼンをスマホの動画機能で撮影させたうえで、それを見ながら自己分析をさせるということを研修の中に取り入れるよう提案してくれました。

ここ数年では、オンラインでのプレゼンの仕方についても知見を積み重ねていらっしゃいます。常に現状に甘んじず、時代の変化や環境・ニーズの変化などに合わせて研修内容をアップデートしていく姿勢とスピードに対しても、高い信頼感を抱いています。

聞き手本位のプレゼンにするために、さまざまなアドバイスをしてくれた

― 次期部門長養成コースでのプレゼンテーション研修では、話し方や資料の見せ方など、主にデリバリー(表現)の部分を中心に指導をしていました。

小林様 そうですね。本来プレゼンは表現の部分だけではなく、どんな話題をどのように組み立てるかといったコンテンツやストラクチャーの部分も非常に重要になります。

ただし次期部門長養成コースでは、既に受講生はそれまでの研修の中で、役員層へのプレゼンに向けたコンテンツの抽出やストラクチャーの組み立てについては取り組んでいるため、マーキュリッチさんには表現の部分を中心に指導してもらっています。

とはいえ現実には、「もっと説得力のあるプレゼンにするためは、ストラクチャーをこんなふうに組み替えたほうがいい」といったことをフィードバックするのが必要な場面がどうしても出てきます。西野さんには表現指導を中心に行ってもらいながらも、時にはコンテンツやストラクチャーについてまで踏み込んで指導をしてもらっています。

ただしその際には、それまでの研修の中で別の講師から指導を受けてきた内容との間にずれが生じて、受講者を混乱させないために、「踏み込むけれども、踏み込みすぎない」という絶妙のさじ加減で指導いただいているなと感じています。

― 研修の内容については、どんな評価をされていますか。

小林様 プレゼンテーション研修では、実際に役員層に向けて行うプレゼンを研修の中で受講者に行ってもらい、それに対するフィードバックが西野さんからあります。

受講者に与えられているプレゼンの時間は1人15分です。多くの受講者は内容を詰め込みすぎるため、時間内に収めようと早口になりがちです。そのため西野さんから、「話すスピードをもう少しゆっくり」とか「一文と一文の間を取って」「キーワードは強調するために二度三度繰り返して」といった指摘を受けることになります。

西野さんからのこれらの指摘を守ろうとすると、とても15分では収まりきらなくなり、内容を精選する必要が出てきます。私はこれは受講者にとって、非常に貴重な経験だと考えています。受講者の多くは、研修を受ける前までは「15分で話したいこと、話すべきことをいかに全部話すか」という話し手本位の意識だったように思います。

それが研修を受けたあとには、「聞き手にしっかりと理解してもらうためには、どれぐらいのスピードで、どんな話し方をするべきか」といった聞き手本位のプレゼンへと意識が変わっていきます。

また話す中身の選別についても西野さんから的確な指摘があるため、無駄な贅肉が削ぎ落とされ、内容的に引き締まったプレゼンに改良されていきます。

「オンライン上で自分がどう見られているか?」に対する意識が高まった

― 2021年度は、役員層への最終プレゼンがオンラインで行われることに対応するために、プレゼンテーション研修もオンラインで実施しました。

小林様 西野さんには、オンラインでのプレゼンならではの注意点についても、いろいろとアドバイスをいただきました。特にオンラインの場合、聞き手にプレゼンターの熱意や思いが伝わりにくいため、対面でのプレゼン以上に話し方に意識を配る必要があります。表情の作り方や目線の配り方、さらには背景の設定の仕方など、さまざまな配慮や工夫が重要であることを学べました。

おそらく受講生の多くは、これまでは「オンライン上で自分が相手からどんなふうに見えているか」についての意識はほとんどなかったと思います。その意識づけができただけでも、大きな意味がありました。

― そのほか今回の研修の中で、印象に残っていることはありますか。

小林様 役員層へのプレゼンでは、プレゼンの後に質疑応答の時間が設けられています。これに備えてプレゼンテーション研修の中でも、「回答が難しい質問をされたときにどう答えるか?」といった質疑応答への対応策についても、西野さんからご指導いただくことができました。

なかなか普段の研修の中で、「質疑応答の仕方」についてしっかりと学べることはないので、とてもよい機会になったと思います。

2022年度からは問題解決力研修とロジカルシンキング研修を新たに実施

― 御社では2022年度には、希望制研修として問題解決力研修とロジカルシンキング研修を新たに実施されると伺いました。

小林様 当社では現在、イノベーション人材の育成が大きなテーマとなっています。そうした人材を今後輩出していくために、社員にどんな能力を身につけてもらう必要があるかについてマーキュリッチさんに相談したところ、様々なディスカッションを経てご提案いただいたのが問題解決力研修でした。

「今起きている問題に対症療法的に対応するのではなく、その問題が起きている本質的な原因をつかみ、解決へと導いていく能力を備えていることが、イノベーション人材の条件になるのではないか。そうした人材であれば、会社や事業を今後どういう方向に変革させていくべきかについても、より本質を捉えたビジョンを打ち出せるのではないか」というご提案をいただきました。

そこで2022年度から中堅社員を対象に、希望制研修の一つして問題解決力研修を実施することにし、マーキュリッチさんにお願いすることにしました。

一方で若手社員には、問題解決力を構成するベースのスキルとしてロジカルシンキング力を身につけてもらうことが重要だろうということから、若手社員を対象とした希望制研修の一つとして、ロジカルシンキング研修を実施することにしました。

講師の力と担当コンサルタントの対応力が、マーキュリッチの大きな強み

― 御社の人事企画課様ではそのほかにも、ネゴシエーション研修や計画段取り研修についても、マーキュリッチに講師を依頼されています。これだけの数の研修をマーキュリッチに依頼されている理由を伺ってよいでしょうか?

小林様 それは数ある研修会社の中でも、マーキュリッチさんがもっとも信頼できる会社だからです。講師の力量はもちろんのこと、講師と私たち人事部を結んでくれる担当コンサルタントの方の丁寧な対応にはいつも感謝しています。

タイムリーに広い情報提供をくださることもそうですが、私たちが「こういう課題を抱えている」といった相談をすると、課題解決に結びつくさまざまな情報をスピーディーに提供してくださいます。

また研修の内容に関する細かい要望にも、できる限り応えようとしてくれます。講師の力に加えて、担当コンサルタントの対応力が、マーキュリッチさんの大きな強みではないでしょうか。

― 大変うれしい言葉をいただき、感動しています。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

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※取材日時 2022年2月
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