研修レポートの効果的な書き方とは?上司から評価される研修報告

社員の能力開発を目的に、多くの企業では教育研修制度を設けています。研修に参加した社員はほとんどの場合、研修レポートの提出を求められます。とはいえ、研修レポートの書き方がよく分からないまま、報告書を作成している人も多いのではないでしょうか?

研修レポートの提出が要求される背景には、明確な意図があります。

意図を正しく理解しないと、無駄な時間を浪費するだけでなく、自身の評価にも繋がりません。

研修体系

当社は企業向けの研修を提供しております(研修一覧)。研修を行っていく中で報告や整理のためにおすすめのレポートの書き方があります。今回、研修レポートの書き方をお伝えしたいと思います。

上司をはじめ周囲の人から評価され、かつ自分の成長にも役立つ研修レポートの書き方を身につけましょう。

研修レポートとは?

研修レポートとは、社員が受講してきた研修の内容や今後の業務に生かせそうな学びを文章にまとめた報告書のことです。

なかには社内で報告会を開き、研修の成果を受講者に口頭で発表させる会社もありますが、研修レポートを採用している企業の方が割合としては多いでしょう。

なぜ研修レポートの作成が必要なのか?

社員に研修を受けさせるのは、会社にとって時間やお金の投資です。そのため、その社員本人にとってだけではなく、「組織全体のためにどれだけ役立てられる内容だったのか?」という観点での投資対効果を研修レポートを通じて見極めたいという意図があります。

研修レポートを社員に提出してもらえば、その内容を社内で共有し、今後の改善策を練ることができます。想定していたほどの教育効果が期待できないと判断された場合は、研修内容の変更や開催中止といった決断を下します。そうすることで、不要なコストを削減し、社内の教育体制をより効果的なものにブラッシュアップしていけます。そういった意味でも、研修レポートにはしっかりとした内容が期待されているのです。

また会社としての目的に加えて、社員本人としても研修レポートを書くことで、学んだ内容が定着しやすくなります。特に新入社員の場合は、研修レポート作成を通じて、自分の行動内容を記録して文書で報告するというビジネスの基本を身につけることができるでしょう。

いずれにせよ、研修レポートは自分のためだけのものではなく、会社にとっても重要な書類であることをあらかじめ認識しておきましょう。より質の高い研修レポート作成のためにも、受講中から必ずメモを取った上で、それを内容に反映させることをおすすめします。

研修レポートの具体的な書き方:必ず盛り込むべき要素とは

研修レポートのフォーマットを事前に用意している会社であれば問題ないのですが、自由形式の場合、慣れないうちは書き方に迷って筆が進まないことがよくあります。研修レポートには、上司等の関係者が期待している「型」があります。

具体的な書き方と盛り込むべき要素についてまとめました。

基本は3パート構成

研修レポートの構成は、「体裁」「概要」「所感」の3パートに分かれます。パートごとに盛り込むべき要素が決まっているため、自分用のテンプレートを作っておくと安心です。

体裁

最初の「体裁」には、以下の5項目を入れ込みます。

社内文書の基本スタイルなので、書類作りが苦手な人はこの機会にマスターしておきましょう。

  • 書類作成日
  • 提出する上司や部署などの宛名
  • 自分の氏名と所属先
  • タイトル
  • 序文

タイトルは「研修レポート」など簡潔に記すのがいいでしょう。
序文には通常、「この度、下記のとおり研修を受講しましたので、報告いたします」といった文章を書きます。

概要

概要の部分には、研修内容の詳細を分かりやすくまとめます。

以下の6項目を記載しておけば問題ありません。

  • 研修のテーマ
  • 日時
  • 開催場所
  • 主催者名(社内研修の場合は省略可)
  • 講師名
  • 研修内容

研修内容は長々と書く必要はありません。箇条書きなどを使って、見やすくシンプルな形にまとめましょう。

所感

研修レポートの書き方で最も大切なのが「所感」の部分です。このパートでは、以下のことを多面的な観点で述べましょう。

  • 研修を通じて学べたこと
  • 今後の業務でどのように活用・応用できるか
  • 自分なりの気づきや感想

特に「今後の業務でどのように活用・応用できるか」という点は重要です。

先述した通り、研修の受講は業務の一環であり、研修レポートを通じて会社側は教育効果を確認しています。上司や研修企画者が特に精査する部分ですから、記載内容が自分の評価にもつながることをしっかりと意識して書きましょう。

例文

「2024年9月17日 プレゼンテーション研修 報告書」

2024年9月17日に実施された「プレゼンテーション研修」に参加いたしましたので、下記の通りご報告いたします。

  • 研修テーマ:プレゼンテーション研修
  • 日時:2024年9月17日
  • 開催場所:会議室A
  • 講師名:マーキュリッチ株式会社 西野浩輝 氏

研修内容:今回の研修では、プレゼンテーションに必要なスキルを、実践的な演習を交えながら習得しました。主な内容としては、以下の3つの柱に基づいて学びました。

  • プレゼンテーションの基礎スキル
  • 聴衆の引きつけ方と伝える技術
  • デリバリーの強化と改善

研修を通じて、プレゼンテーションの基礎だけでなく、聴衆に対して「わかりやすく、説得力を持ったプレゼンテーション」を行うためのスキルを身につけることができました。特に、「聴衆に伝わりやすい構成を考え、相手の興味を引きつける表現を用いること」が、今回の研修で最も重要だと感じた点です。

今後の業務では、特に社内外のプレゼンテーションにおいて、このスキルを応用していきたいと考えています。例えば、クライアントに対する提案プレゼンテーションで、相手のニーズに合わせた明確なメッセージを伝えるよう工夫したいです。また、今回の研修を通じて、フィードバックを取り入れながらプレゼンテーションをブラッシュアップする習慣を身につけることの大切さにも気づきました。これからも、継続的に改善を図りながら、より高品質なプレゼンテーションを目指していきたいと思います。

研修レポートを分かりやすく書くためのポイントとは

研修レポートを提出する先の人達は、基本的に多忙です。

時間がない中でスピーディに目を通すことが多く、その場合でも報告内容が誤解なく伝わるよう、分かりやすい書き方を意識しましょう。

具体的には以下のポイントを押さえます。

  • 数字などを使って、具体的に書く
  • 情報を整理し、シンプルに伝える
  • 基本はA4用紙1枚でレイアウトを整える

数字などを使って具体的に書く

研修レポートは、「所感」の部分以外は全て、事実に基づいた内容を書きます。内容がより具体的に伝わるよう、時間や数量などの数字は積極的に盛り込みましょう。

たとえば「この方法を使うと成約率が上がる」と書くよりも、「成約率が2倍になる」と書いた方が、読み手もイメージが付きやすくなります

情報を整理してシンプルに伝える

研修レポートの内容は、不要な情報を省いて、シンプルにまとめましょう。たとえば、会場の様子や研修中の雑談、講師の個人的エピソードトーク等、研修で教わった内容と直接関係のない情報は書かないようにしましょう。

また文章も情報を絞って、「1文1メッセージ」のルールを守りましょう。

長すぎる文章は読み手を混乱させます。合わせてビジネス文書の書き方として、結論から先に述べるように文章構成を意識するとよいでしょう。

基本はA4用紙1枚でレイアウトを整える

研修レポートの長さは、原則A4用紙1枚にまとめるのが理想的です。会社から別途指定があった場合はその限りではありませんが、ボリュームが多すぎる報告書は読みにくく不親切です。

 また書類のレイアウトにも注意が必要です。事実と所感の境目が一目見て分かるように、それぞれの項目にカッコや番号を付けるなど、情報が分類整理された書き方を心がけましょう。

会社から評価される研修レポートを書こう

研修を受けるたびにレポートをいちいち書くのは面倒だと感じている人も中にはいるかもしれません。

しかし、あなたの研修レポートが会社全体の教育体制の改善に役立ち、かつ自分の評価にもつながっていくと考えると意識が変わってくるのではないでしょうか。

 研修レポートの書き方をマスターすれば、他の社内文書を書くのもぐっと楽になります。

今回の記事を参考に、ぜひ自身の評価と成長に繋がる研修レポート作成をマスターしましょう。

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