本書の特徴・・・はじめにより引用
1.プレゼンを話し方のテクニックではなく、戦略として捉えていること。
私の考えはこうです。たとえば、事業経営でも、サッカーなどのスポーツでも、戦略もなしにぶっつけで本番に臨むことなどありえない。事前に緻密な戦略を練り、実行段階では忠実に戦略を遂行していくのみ。プレゼンテーションも同様に、受け手の前に立ったときにはすでに勝負は決まっている。それまでに立てた戦略が勝敗の90%を握るから。
このような前提にいますので、話し方・スライドの作り方などには重点を置かず、プレゼン以前の思考パートに重きを置いています。「あなたは聴き手にどういう価値を提供できるのか?」「そもそも聴き手が求める価値とは何なのか?」「その価値を最大化するにはどうしたらよいのか?」といった思考にこそ意識を向けています。
そして、戦略のゴールは常に、あなたが受け手から選ばれること。一言でまとめるならば、”選ばれるための価値創造戦略”が、プレゼンの本質であると定義しています。
2.著者ひとりの経験則ではなく、多くの成功事例と失敗事例の分析のうえに成り立っているということ。
私は、これまで十年間にわたり、一万二千人以上にプレゼンテーションの指導をしてきました。経営者・経営幹部など要職にあるエグゼキュティブ。部門長などの指導者層。コンサルタント・コーチ・士業などの独立事業主。そして、民間・行政など多種多様な組織に属するビジネスパーソン。
そして、そのなかで特に大きな成果を出しているトップ1%のプレゼンターを分析してきました。トップ1%のカリスマと、残り99%は何が違うのか?それが私の興味の中心でした。
そして様々な分析から、選ばれる人と選ばれない人の確たる違いに気付いていきました。加えて、選ばれない人が選ばれる人に変身するための具体的な方法がわかってきました。本書では、まさにその内容を解き明かしていきます。