テレワークが浸透するなかで、ZoomやTeamsなどのWebツールを使ったオンライン会議が、日常化されている職場も多いのではないでしょうか?
ただ、「リアル(対面の会議)に比べると効果性が低い」という声も頻繁に聞きます。
1つの大きな原因が、一部のメンバーの参画意識の低さ。
確かに、リアルのように物理的にその場を共有していないが故に、どうしても「外野」にいる感覚に陥りやすい。結果として積極的に参加せず、会議の成果にほぼ貢献していない。
これでは何の生産性も生んでいないどころか時間を浪費しているわけで、会社としても、リーダーとしても頭の痛い問題です。
そこで、即効性のある、とっておきの方法をご紹介します。
方法はズバリ、メンバーに役割を付与すること
人間とは不思議なもので、明確に役割を与えられると急に責任感が出て、当事者意識が生まれ、活躍・貢献し始めます。まさに「ポジション・役割が人が創る」とはよく言ったものです。
具体的にはどんな役割を付与するのか?
仮に、5人でチームミーティングをするとします。
1.司会
司会は、かなり高度なリーダーシップと合意形成能力を要求されるポジションです。
だからこそ、リーダーがこの役割を担ってはいけません。
「仕事を通じて人を育てる」大チャンスなのですから、別の人を任命しましょう。ちゃんと進められるかが心配であれば、事前に教育してから司会をさせると、意外とできるものです。
2.書記
これもなかなか難しい。出された意見のなかから重要なポイントを抽出し、わかりやすく議事録にまとめないといけない。
その際大事なのは、書記もしっかり議論に加わるようにさせること。
「記録を取ること」と「発言する」ことを同時並行で行うので、相当の負荷がかかります。その分、極めて良いトレーニングの機会にもなるのです。
ちなみに、議事録はクラウド上のアプリを使って、会議と同時進行で取るのがお薦めです。全員がリアルタイムで共有できるし、終了後にわざわざ作成する時間も削減できるからです。
3.サブ書記
書記が発言しているときに、議事録を取る係です。
この役割があるおかげで、議事録の取り漏れがなくなりますし、本人にとっても要点をまとめる練習の機会になるでしょう。
4.タイムキーパー
セッションの時間や発表の時間を管理し、必要に応じて伝達することで、会議の効率性を向上させる役割です。
適度なタイム・プレッシャーがあると、人は効率的にコミュニケーションを取ろうとするものです。この役割によって「会議が長い」というよく出る不満を最小限に抑えることができます。
かつ、タイムキーパー自身もタイミングを計りながら、議論を分断せずにうまく伝える良い訓練にもなります。
では、リーダーは何をするのか?
何も役割を担いません。全体の司令塔として、各役割が適切に機能するように調整や助言を行います。
どうでしょう?これで5人全員が役割を担いましたよね?
ちなみに、人数が多い場合は、セッションごとや会議ごとに役割を交代で担いましょう。
全員に当事者意識、参画意識を持たせるのみならず、副次的効果も期待できます。各自が複数の役割を経験することで、他の人の苦労や大変さがわかり、チームワーク向上に一役買ってくれるという点です。
ぜひ、「役割を担わせる」ことを通じて全員がコミットした、活発な会議に仕立てましょう。
リアルの会議以上の効果を期待できるかもしれません。
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。