以前のコラム記事で、オンライン研修の活性化に悩んでいる人材育成担当の方に対して、「研修本番前の『事前オリエンテーション』を開催しましょう」という提案をさせていただきました。
おかげさまで様々な反響をいただきました。
「すぐ取り入れたいので、上層部に提案しました!」という行動派の方からメッセージをいただき、嬉しい限りです。
一方で、「受講者にこれ以上負荷をかけられない。もう少しライトなやり方でオンライン研修の活性化を図れないか?」という声もいただいています。
正直言って、全ての研修に「事前オリエンテーション」を設けるのは、現実的ではありません。だけれども、「オンライン研修が活性化しない」という問題に対して、何とか手は打ちたいもの。
そこで、今回はその問題を解決するお手軽な方法をご紹介します。
事前準備ゼロで研修を活性化させる方法
ずばり「事前準備ゼロ」の超お得なやり方です。
解決のコアは、研修の企画担当者・事務局がムードメーカーになることです。
ほとんどの受講者はオンライン研修の参加に慣れてないため、「どう振る舞っていいかわからない」状態に陥り、戸惑っています。
その状態で研修がスタートするから、互いに様子見をしたまま、大人しく受講する。講師が相当の「ノセ上手」の腕を持っていない限り、活発な発言も出にくく、研修の場が活性化しない。
だからこそ、誰かがその雰囲気を良い意味で壊してあげて、「互いに働きかけていいんだ」という空気感を作ってあげる必要があります。
まさにその役割を担うのが研修事務局の方々なのです。
「それってすごく大変なんじゃないか?」と思うかもしれません。いやいや、やることは至って単純なのです。
働きかけの具体的な方法と効果
では「具体的に何をやるべきか?」を私なりの観点でお話しましょう。
研修開始前は、早めにバーチャル研修部屋に入ってきた人に挨拶をします。
それだけで受講者は人の温かみを感じ、少し緊張が解けます。もし余裕があれば「〇〇さん、今日はお忙しいところありがとうございます」等の、相手がレスポンスしやすい一言を加えてあげるとよりいいでしょう。
ちなみに、私が研修をするときは講師として1人1人に挨拶をします。事務局と講師のダブルでの働きかけがあると、さらに打ち解けた雰囲気になります。
研修が始まったら、特に初めの頃は大きく頷いてください。
それを見た受講者は、釣られて徐々にリアクションをするようになります。そうすると、場の空気ががさらにホットになり、一体感が作られていきます。
もうその状態が作られれば、あとは自然に発言が出て、盛り上がっていくでしょう。
先日、私が講師をした際の事務局の方がまさにこれを実践してくれていました。研修があっという間に快適な空間に変わったのは言うまでもありません。最終的に受講者に方に大満足いただけたのは、この事務局の方のおかげだったと感謝しています。
この「ムードメーカーになる」行為は、事前準備としての労力はゼロです。
当日ほんの少しの勇気がいるだけと言っていいでしょう。
こんなおいしい方策はないと思います。ぜひ、取り入れてみて下さい!
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。