「オンライン商談で相手の反応が察知しづらい。どうすればいいのか?」
オンライン営業における「お困りごとリスト」の上位に来るものの1つです。
私がこの相談を受けたときの答えはいつも決まっています。「察知するのはあきらめましょう」です。
なぜなら、察知するなんてほぼ不可能だからです。
オンラインで察知が不可能な2つの理由
理由はいくつかあります。
第1に、オンラインではリアル(対面)に比べて、映像のクリア度が落ちるため、相手の「表情の変化」や「微かな頷き」といった動きが見えにくいから。
加えて、相手はリアルほど相づち言葉を発してくれないため、興味関心を持って仮に興味を持ち、手元でメモを取ってくれていたとしても、こちらからは全く見えない。
むしろ、退屈して下を向いているだけに見えるので、場合によっては完全に反応を読み違えることになります。
これらの理由から、正しく察知したり、推測したりすることができないのです。
営業パーソンの心理と陥りがちな行動
この「反応が読めない」状況に置かれた営業担当者は、2つのパターンに陥りがちです。
1つは、相手の反応などお構いなしに、自分のペースのみで商談を進めるというもの。
「顧客無視の営業」とも言えるわけで、これが良いわけがありません。
もう1つは、「自分の話はイマイチなんだ」と思ってペースを乱してしまい、どんどん自信なさげな説明になってしまう。
いずれのパターンでも、営業がうまくいかないばかりか、次への突破口も見いだせず、路頭に迷うのみになります。
察知するのではなく、反応を引き出す
ではどうすればいいのか?
察知するのでなく、反応を引き出すのです。
そのために用意するのは、「問い」です。
ただし、「問い」は質問だけではありません。
問いかけ風にして話すのも、反応を引き出すには効果的です。
たとえば、
「~~~でしょうか?」
「~~~だったりします?」
といった風に、語尾を変化させて話すと、聞き手は思わず大きくうなずいたり、少し声に発したりします。
そうやって、相手の興味度合を測ることができ、それに即したトークにチューニングしていけるのです。
もちろん、質問自体も効果的です。
例えば、以下の質問はぜひ定期的に使っていきたいものです。
「これくらいのペースで話していっていいですか?」
「他社さんだと〇〇だったりするのですが、御社でもそうですかね?」
オンライン商談の時には、この言葉を思い出してから臨みましょう。
「オンラインでは、反応は察知するな、引き出せ」
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。