from 西野浩輝

オンラインで会議、オンラインで研修、オンラインで飲み会等々。様々な事が、オンラインで行われる様になり数ヶ月経ちました。

オフラインで行ってきた時と勝手が違う事に戸惑いながら、だいぶ慣れてきたという人も多いのではないでしょうか。

一方、なかなか難しく糸口がつかめないと相談される事が増えたのが、「オンライン商談」です。

今回はこの「オンライン商談」で初対面の人と関係を築くきっかけについて、お伝えしようと思います。

オンライン商談で感じる難しさとは?

「オンライン商談」が苦手な人が多いようです。これは、百戦錬磨の営業担当者でもそうらしい。

「どういう点が難しいですか?」と聞いたときの答えで多いのが、

『はじめて会う人と打ち解けるのが大変』

というもの。

商談において場を和ませ、相手と打ち解けることを、営業用語で「ラポール(心の架橋)を築く」と言います。

リアル商談だと、この「ラポール」が比較的すぐできるのに、オンラインだとなかなかできない。

ラポールなしでは、お客さんは本音は話してくれず、深いニーズも聞き出せません。

その結果、相手に刺さる提案にはなり得ず、商談は不発のままで終わります。

これは頭の痛い問題です。

そもそも、なぜ「オンライン商談」では、リアルと比べてラポールを築くのが難しいのでしょうか?

ラポールが築きにくい理由

リアル商談では、雑談を始めるためのネタが豊富にあります。

相手の名刺に書いてある情報はもちろんのこと、豪華な応接室、受付スタッフの見事な対応、などなど。どこからでも切り込めるので、まず困らない。

一方、オンラインの場合、画面から得られる情報が限られているため、話すネタがほとんど見つかりません。かろうじて画面越しに見える相手の服装について褒めるのも、ちょっと不自然すぎます。

ではどうすればいいのか?

オンライン商談での取っ掛かりとなるネタ

オンライン商談における現実的な唯一の足掛かりは、「音声と映像のクリア度合を相手に確認すること」でしょう。その際、できるだけ自然な感じで会話を誘導できるのが理想です。

たとえば、こんなふうに。

 営業担当者「西野です。今日はよろしくお願い致します」

 お客さん「こちらこそ、よろしくお願いします」

 営業「ちなみに、私の声と映像はクリアですか?」

 顧客「大丈夫です。良く聞こえます」

 営業「ありがとうございます。よかったです」
   
   「こちらもお姿が非常によく見えてますし、聞こえてます」
   
   「もし途中で聞こえにくくなったりしたら、遠慮なく言って下さいね」

 顧客「ありがとうございます」

さらに、

営業「ちょっと気持ちが入りすぎて私の声が大きくなりすぎたら、言って下さいね。声がデカいのだけが私の取り柄なんですが、そのせいでご迷惑をおかけすることになれば申し訳ないので(笑)」

などと、少しお茶目な感じで自虐ネタを添えると、雰囲気をガラッと変えられるでしょう。

また、

「○○さんのお声はすごく通っていて聞きやすいですね。美声がうらやましいです」

なんて相手を持ち上げるのも1つの手です。

その際、満面の笑顔でコミュニケーションを取るようにしましょう。

オンライン商談では笑顔が特に重要!

オンラインではこちらが思っている以上に、相手から表情は見えにくいもの。だから、笑顔が小さいと相手に堅い印象を与えてしまい、場を和らげることは非常に困難になります。

柔らかい雰囲気とともに、上記の会話例のように話を続けられたら、いつの間にか相手の口も滑らかになって、ラポールを築くことができるでしょう。

ラポールを築けたらしめたもの。

リアルと同じくオンライン商談でも、いつものあなたのペースで進めることができるはずです。

西野浩輝写真マーキュリッチ代表取締役
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。
西野著書写真

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