阪井裕樹さま

株式会社Carpe Diem(カルペ・ディエム)代表取締役の阪井裕樹様は「自分史コンサルティング」を手がけているコンサルタントです。2016年と2019年の2回にわたって、阪井様から当社の野村尚義に「自分が開講しているセミナーの内容をブラッシュアップしたいので、セミナー改善についてのコンサルティングをお願いしたい」という依頼がありました。

阪井様に野村に対して期待したことや、実際にコンサルティングを受けてみてどのような効果があったのかを伺いました。

言葉の選び方が丁寧で、相手の心に届く話し方をすると感じた

― 阪井さんは現在、自分史コンサルタントとして活躍をされています。阪井さんのお仕事の具体的な内容について教えてください。

阪井様 クライアントの方にノート3冊分の自分史を書いていただき、それを元に「自分が本当にやりたいことは何か」「未来に向かってどう生きたいのか」といったご自身の根源的な価値観に気づき、言語化するためのお手伝いをしています。ご自身の価値観を知り、その価値観をベースにした事業をつくることで爆発的な成果をうみだすことができるというものです。クライアントは、経営者や個人事業主、起業を考えている会社員など様々ですが、最近では特に経営者層の方が増えてきました。

自分が本当に大切にしたい価値観が何なのかは、自分ではよくわからないものです。普段「これが大切だ」と思っているものは、実は表層的なものに過ぎず、本当の価値観は深層心理の中に埋もれてしまっていることが多くあります。それを探り出すことができれば、今よりもご自身の生き方の可能性は大きく広がります。クライアントのみなさんにはいつも「これまで思い描けていなかった想定外の未来に一緒に行きましょう」と話しています。

― 阪井さんと野村の出会いについて教えてください。

阪井様 もう5年ほど前の話ですね。私がまだ会社勤めをしながら、副業でコンサルティングをしていた頃だったと思います。野村さんと共通の知り合いの社長が主催した勉強会で講師を務めていたのが野村さんでした。言葉の選び方がとても丁寧で、相手の心に届く話し方をされる方だなという印象を抱きました。野村さんとはそれがきっかけで、その後もよくお会いしてお話をするようになりました。

フロントセミナーの改善がセールスプロセス全体を厚くしてくれる

― 野村にセミナー改善についてのコンサルティングをお願いしようと思ったのはどうしてですか?

阪井様 私がクライアントを獲得するプロセスとしては、まずセミナーを開いて参加者に自分史についてその必要性を理解してもらうことから始まります。そこで興味を持ってくださった方が個別相談に申し込まれて、その個別相談のなかで正式にコンサルティングを受けるかどうかの判断をしてもらうというかたちを採っています。いわゆる世の中でフロントセミナーとか顧客獲得型セミナーと言われるスタイルです。

ですからクライアントさんを増やすためには、いかに最初のセミナーで参加者のみなさんに「自分のビジネスや人生を変えるために自分史はすごく大切だ」と、興味を抱かせるお話ができるかが肝となります。そこでフロントセミナー改善のコンサルティングを、プレゼンのプロである野村さんにお願いしようと思いました。

確か野村さんにコンサルティングをお願いしたのは、私が会社員をやめて完全に独立した直後の2016年6月のことでした。

当時、自分のビジネスが順調に伸びてはいましたが、自分のメッセージの質を高めていかないといずれ事業の成長が先細りしていくだろうという危機感があって、プロの力を借りたいと思いました。

― 野村以外の人間にコンサルティングを依頼するという選択肢はなかったのですか?

阪井様 まったくありませんでした(笑)。ほかのプレゼン講師やセミナー改善コンサルタントでも「こうしたらプレゼンはうまくいきますよ」という一般論は教えてくれると思います。私のシナリオを見て個別アドバイスもくれるでしょう。でも野村さんの場合は更に深くて「通常だったら〇〇とやるのがセオリーだけれど、阪井さん世界観に合わせるならばこの部分は△△というふうにしたほうがいいですよね」というように、私自身の強みや特徴・伝えたい世界観を的確に把握したうえでアドバイスをしてくれると確信していたからです。

― 実際はどうでしたか?

阪井様 期待した以上でした。

セミナーを通じて参加者の感情を意図する方向に導けるようになった

― 阪井さんへのコンサルティングでは、4回にわたってセッションを設定。阪井さんがセミナー用に作成されたパワーポイントの資料やトークスクリプトに対して、私がフィードバックをしていくという内容でした。実際にコンサルティングを受けてみて、どんな感想を持たれましたか?

阪井様 野村さんからは、聴き手の感情を動かすプレゼンにするにはどうすればいいかアドバイスをたくさんいただきました。顧客獲得型のセミナーでは、どんなに有益な情報を参加者に提供できたとしても、相手の感情を適切に導くことができなければ次のステップに進んでもらうことはできません。

「その場面でそういう言い方をしてしまうと、聴き手の心理バリアを上げてしまうので、もっとこういう話し方をしたほうがいいですよ」とか「この部分については、聴き手の課題意識を強く揺さぶるべきパートなので、より強調するためにこうしましょう」といった野村さんの一つひとつの具体的なフィードバックがとても役に立ちました。

野村さんのコンサルティングを受けたあとは、セミナーのときの参加者の反応も大きく変わってきました。以前はとにかく数多くセミナーを開催して「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」方式で、1人でも2人でも次のステップに進んでもらえれば御の字だったのが、コンサルティング後は、セミナーから個別相談に移行してもらう確率が格段に上がりました。

セミナー通過率がいきなり100%に

― 具体的にはどんな数値の変化がありましたか?

阪井様 セミナー開催ごとで通過率(個別相談につながる率)に差はありますが、その直前まで50%程度だったものが一気に100%になったりしています。平均してもコンサルのBefore/Afterで数十%のアップは間違いないですね。

これだけでも大きな成果なのですが、セミナー改善を通じて「自分のメッセージのコア」が研ぎ澄まされているので、その内容はブログやメルマガにも反映されるし、個別相談にも反映されるのでセールスプロセスの全プロセスが太くなりました。コンサルティングの単価もあげられました。

たとえばセミナー後の個別相談のときに参加者さんが「もう阪井さんのコンサルを受けたいです」という状態でお越しになることも多くなりましたね。クロージング要らずです。

― 阪井さんが野村のコンサルを依頼されたときの金額が4回48万円+税だったわけですが、黒字の投資になりましたか?

阪井様 はい。具体的な数字は具体的な売上アップ額を言うのは控えますが、いちいち計算する必要がないくらい大幅な黒字です。

あと売上だけではなくて自分のコンサルティングの質の向上にも参考にさせていただいています。野村さんの指導を受けていて感じるのは、野村さんは相手の心を深掘りする質問がとても上手だということです。野村さんが私にされた質問の中には「それ、パクらせていただきます」というものがいくつもあって、実際に私自身がクライアントの心の状態を掘り下げるときに使わせてもらっています(笑)

余計な内容を削ぎ落とし、スムーズなシナリオに磨き上げられた

― ありがとうございます。その後阪井さんは、2019年にも再びコンサルティングを依頼いただきました。これはどうしてだったのでしょうか。

阪井様 最初にコンサルティングを受けてからの3年の間に、私が参加者の方に伝えたいメッセージがかなり変わってきたことが大きいですね。また最初にもお話ししたように、参加者の層についても変化が見られるようになりました。今の自分が本当に伝えたいメッセージを、相手の心に響く言葉で届けることができるプレゼンにするために、もう一度野村さんからコンサルティングを受けようと思ったのです。

私の中には、「セミナーの場でみなさんにぜひこれを話しておきたい」という材料がたくさんあります。でもその材料のうちから何を抽出して、どんな順番で伝えればより効果的なプレゼンになるのかについては、自分ひとりで考えるだけでは限界があります。だから野村さんの力を借りたかったのです。

― 今回のコンサルティングではいかがでしたか?

阪井様 セミナーのシナリオづくりで難しいのは、こちらが何か言葉を発したときに言葉の解釈の仕方が聴き手によって異なる場合があることです。例えば「価値観」なら「価値観」と言葉を聞いたとき、聴き手が頭の中に思い描くイメージは一人ひとりがまったく違う。それを放置するとこちらが発信したいメッセージと、聴き手の解釈との間にズレが生じてしまいます。

その点野村さんは、話し手が伝えたいメッセージと聴き手の解釈の間に、できるかぎりズレが生じずみなさんに同じ映像を頭に思い描くための言葉の選び方や補足の仕方が、非常に卓越していると思います。私も野村さんからコンサルティングを受けたことで、言葉選びに対する意識が大きく変わりました。

また今回のコンサルティングでは、私のセミナーを実際に野村さんに見てもらったうえで、改善点等についてのフィードバックをしてもらうというセッションがありました。あれがとても効果的で、野村さんに見ていただく前はかなり詰め込みすぎだったセミナーの内容が、フィードバックを受けたあとは余計なものを全部削ぎ落として、スムーズな流れになりました。本当に訴求したいポイントをしっかりと押さえたうえで、参加者に伝えることができるようになったと思います。

通過率の数字的なアップは明確なのですが、それ以上に「顧客になってほしい人が通過してくれる」ことが大きいです。ポジティブな人たちが集まるようになって、コンサルで成果を出しやすくもなっていますね。

― それは大きいですね。

阪井様 あとついでに言うと、私が野村さんのコンサルを受けている最中も心地よいというのも、セミナー改善がスムーズにいった一因だと思います。野村さんって絶対に否定しないんですよね。

どうしても忙しいなかでコンサルを受けていて、投げやりになった瞬間とかもっとできた部分とかがあっても、それを受けとめて加味したうえでコンサルしてくれたと感じています。

表面的なテクニックを身につけるだけでは飽き足らない方にオススメ

― 最後に「こんな方は、野村からコンサルティングを受けてみることをオススメします」というのがありましたら、教えてください。

阪井様 今回私は野村さんには、セミナーでのプレゼンについてのコンサルティングをお願いしたわけですが、実際に始まってみると単なるプレゼンのコンサルティングに留まらない内容になりました。

そもそも私の持っているバリューは何で、それをどういうかたちで表出していけば、バリューを最大化することができるかといった、より深い視点で私のことを見てくださったからです。表面的なプレゼンのテクニックを身につけるだけでは飽き足らず、自分のビジネスの本質を見極めたいと感じている方に、ぜひオススメしたいですね。

― 本日はどうもありがとうございました。阪井さんの今後のご活躍をお祈りいたします。

※株式会社Carpe Diem ホームページ
※取材日時 2019年12月