■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
<<Mercurich News>>
………………………………………………………………………………………
【教育コラム】今年一番うれしかったアンケートコメント
■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
こんにちは、マーキュリッチ株式会社の西野です。
暑さと戦った8月も終わり、今日から9月ですね。
過ごしやすくなるこれからの時期を
しばし快適に味わいたいものです。
今回は、私が最近、受講者からいただいたギフトについてお伝えします。
━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━
【教育コラム】今年一番うれしかったアンケートコメント
─────────────────────────────────
私はかばんの中に、いつも入れて持ち歩いているモノがいくつか
ありますが、今年の夏から持ち歩くモノが一つ増えました。
それは私の研修を受けた受講生の方が書いてくださった、
あるアンケートです。
そのコメントは、以下のようなものでした。
「西野先生が研修中にお話しされていたことを、私は自分が実際に
プレゼンや営業活動をするシーンに当てはめながら、
話を伺っていました。
先生はとてもよく当社のビジネスを勉強されていると思います。
当社のことを愛していただきありがとうございます」
みなさんの中には「どうして西野はわざわざこのアンケートを
いつも持ち歩いているのだろう?」と思われる方がいるかもしれません。
でも私、このアンケートをいただいた時、すごくうれしかったんですね。
本当にうれしかったのです。
特に感激したのが「愛していただきありがとうございます」という
ひと言でした。
私は普段受講生の方に対して、自分の熱意や一生懸命さや愛情を
アピールすることはありません。
「私はこの研修に熱意を持って全力を尽くして取り組みますから、
みなさんどうぞよろしくおねがいします!!」
なんてことはまず言いません。
できるだけ「しれっとした顔」でやっているつもりです。
なぜならプロの仕事は、結果が一番だからです。
熱意や一生懸命さや愛情を振りかざしたとしても、
それが空回りに終わってしまったら何の意味もありません。
大切なのはプレゼンテーション研修であれば受講生の方のプレゼン力を、
交渉力研修であれば交渉力を、一歩でも二歩でも確実に
伸ばしていくことです。
私の研修は受講生の方からは「厳しい」と思われているようです。
その証拠に受講後のアンケートでも
「まったく気を抜くことができず、これまで受けてきた研修の中で
一番大変でした」
というコメントをよくいただきます。
もし、私がアンケートの評価点を高くしたいのなら、
もっと優しく楽しくやった方がいいのでしょう。
しかし、それでは本末転倒になってしまいます。
私の役割は「受講生のスキルやマインドを高めること」であり、
「受講生から親しみを抱かれること」ではありませんから。
私にとっての愛情とは、受講者のスキルアップに徹底的にこだわり、
講師としてその実現にものすごい集中力や労力を発揮する点です、
しかし、その愛情表現に気づいてくださる方はあまりいません。
時折、人材開発のご担当者の中には、
「西野先生の教育にかける情熱、受講者への愛情はすごい。
それがなければあそこまでできない」
と気づいてくださる方もいます。
しかし、受講者の方々は、研修中は上達に必死で、
余裕がないのでしょう。
私の愛情に気づいてくださる方はほとんどいません。
だからこそ「当社のことを愛していただきありがとうございます」
という受講者からのひと言は、意外であり、とてもうれしいもので
あったのです。
「見ている方は見てくださっているのだ」と思いました。
特にビジネスの現場では「熱意」や「一生懸命さ」を評価されることは
あっても、「愛情」を評価されることは滅多にありません。
だからこそ、より喜びは大きなものになりました。
以来私はこのアンケートのコメントを、いつもかばんの中に
入れて持ち歩いているわけです。
そしてエネルギーが切れかかったときや苦しい場面に直面したときには、
カバンから取りだして読むようにしています。
ただし、こういうアンケートをいただいたことは、
うれしい反面「怖いな」とも思います。
「見ている方は見てくださっている」ということは、
もし私が「例え厳しいと思われてもいいから、受講生の力を何とか
伸ばしたい」という想いを失ったまま、気を抜いた研修をしていたら、
きっとそれも見破られてしまうだろうからです。
ですからこのアンケートは私にとって、励ましになると同時に、
気を引き締めてくれるものでもあるのです。
ともあれ私としては、これからもできるだけ「しれっとした顔」で、
「受講者の成長に結果を出す」ことにこだわって、
研修講師を続けていくつもりです。
これからもよろしくお願いいたします。