弊社代表の西野がシンガポールの情報誌「Asiax」で『シンガポールで実践!英語プレゼン』のテーマで記事を連載しています。サイトを訪問してくださった皆さまに向けて、記事を随時更新していきます。

日本人経営者の英語プレゼンに関して非常に残念に思うことがあります。

一つは、他の社員に任せてしまい、自分は全くプレゼンしない人がいることです。

質疑応答のパートはいざしらず、プレゼンテーション自体は何とか自らの口で語って欲しいと思います。

もう一つは、経営者としてふさわしいプレゼンになっていないことです。

淡々と自社の会社概要を説明し、そのまま商品の説明をして。。。
まるで担当者がやるような説明に終始している。「何ともったいない!」と感じさせるプレゼンになっている。

ではそもそも経営者がプレゼンをする目的は何なのでしょうか?

経営者がプレゼンをする目的

一言で言うと、思いやビジョンを語り、聴き手をインスパイアすること。

聞き手が取引先なら「この会社と付き合いたい」「ぜひ応援したい」と思わせることが経営者プレゼンに求められているのです。

そのために何を語るべきなのか?

Whyと未来とストーリーを語るのです

 Whyを語るとは何か?

まずはWhy。

一番の要は「なぜこの事業をやっているのか?」ということ。

コンサルタントのサイモン・シネック氏によると、繫栄する企業と衰退する企業の差は「経営者がWhyを語っているかどうか?」だと言います。

顧客は究極的にはその企業のWhyを買っているのだと。

好例の1つは、フェイスブックです。

経営者のマーク・ザッカーバーグ氏は「人々にコミュニティー構築の力を与え、世界の絆を強める」ために事業をしていると明確に語っています。

しかしながら、ここまで明確に言語化できていない人もいるかもしれません。

その場合一番良いのは、自分の原点に立ち戻ることです。

「なぜ自分はこの事業を始めたのか?」「社会や顧客のどんな問題、課題を解決したいからこの事業をしているのか?」を自分に問うてみてください。

必ずあなたならではのWhyが見つかるはずです。

未来を語ることで聞き手に何を与えるか?

2つめは未来です。

故スティーブ・ジョブズ氏は「製品を売るな、夢を売れ」と表現しました。言い換えれば、「製品を語るな、夢を語れ」ということ。

あなたが語るべきは製品のスペックなんかではありません。

「あなたの事業を通じて将来的にどんな素晴らしい世界が実現するのか?」言わば未来の世界観を表現すべきなのです。

そういう点で孫正義氏の30年ビジョンプレゼンは参考になります。まさに言葉通りソフトバンクの事業が30年後の世界をどう変えているかをありありと語っています。

実際そこまで壮大なものでなくて構いません。あなたなりの実現したい夢を語ればいい。

その未来語りこそ聞き手をワクワクさせ、「この人と一緒に仕事がしたい!」と思わせるのです。

ストーリー仕立てにするには?

3つめは、ストーリーです。

心を動かし、印象に強く残るプレゼンには必ずストーリーがあります。

では何をストーリーとして語ればいいのか?

上記のWhyと未来です。

さきほどご紹介したザッカーバーグ氏が2017年5月25日に母校ハーバード大で行った卒業式スピーチが好例です。

氏はスピーチの中で「なぜフェイスブックを始めようと思い、どうやってそこに行きついたのか?」「事業経営の中でどんな危機が訪れ、どう乗り越えていったのか?」をストーリーでありありと描写しているのです。

それによって、俄然リアルで熱が伝わる魅力的なプレゼンになっています。

まさに経営者が語るべきプレゼンの模範と言っていいでしょう。

Whyと未来とストーリー。

このニュー3種の神器があなたのプレゼンに魂を吹き込み、聞き手をインスパイアするプレゼンにしてくれるでしょう。