from 西野浩輝
お客様を訪問してきた若い営業マンが、笑顔で帰って来ました。
お客様と上手につながれたのかなと思って話を聞くと、「いや~、話が盛り上がっちゃって。きっと次回は契約が取れますよ」と威勢の良い返事が返ってきました。
お客様との関係づくり
「どの商品の話で盛り上がったの?」と訊くと、「盛り上がったのは、ゴルフの話です」という返事。「えっ!もう一緒にゴルフに行く話になったの?」と訊き返すと、「いや、〇〇プロの話で盛り上がっただけです。一緒に回るなんてまだまだ先ですよ」と笑っているのです。
彼の話を整理すると、ゴルフの話題で盛り上がり担当者の方と意気投合したから、次回訪問した時には契約が取れる見込みがあるというものでした。
次回の具体的なアポイントメントは取ってないし、商品のカタログを置いてきただけで、商品の具体的な説明はしていないと言うのです。
営業マンとしての経験から言うと、おそらくこの話で契約は取れない確率が高いと思います。お客様と個人的な趣味で意気投合できたという強みを何も活かしていないからです。
このケースのようにお客様と意気投合できることは、本当に素晴らしいことです。営業マンに好意を感じてもらう関係を作ることは、仕事につながる可能性がとても高いからです。
営業マンとしてのイニシアティブ
お客様と意気投合し良い関係が出来ているのなら、最低限次回の具体的なアポイントを取るべきでしょう。
「今度はいついつの何時にお伺いします」とつなげるべきです。欲を言えば、ゴルフの話で気分が良くなっているところで、更に商品のメリットをしっかりと伝えてくることが必要です。気分が良いときに良い話を聞くと、より好感を抱いて頂けます。
これができていないのは、お客様にイニシアティブを取られているからです。お客様のペースで終始時間が流れていたのでしょう。
でもどこかで話を切り替えることが必要です。
「□□と言えば、弊社の●●が・・・」と自社の話に話題を変え、商品の話に持っていくことが必要です。そのための訓練も場合によっては必要です。
お客様のお役に立つということをアピールするためには、営業マンのイニシアティブが必要です。お客様のペースで話を聞いているだけでは、結局商品の良さに気付いてもらえないのです。
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。