先日、若い営業マンとお酒を飲む機会があったのですが、彼がとても興味深い話を聞かせてくれました。
私より一回り以上も若い彼は、正直プレゼンテーションが下手な営業マンでした。お客様の前で緊張して、何を説明しているのか分からなくなるようなタイプでした。
その彼が、彼のお子さんから学んだ方法で、プレゼンテーションが得意になったというのです。
小学生が国語の教科書を暗記している
彼のお子さんは小学校2年生なのですが、国語の教科書を丸暗記しているというのです。
それを聞いた私は、素直に「お子さん、賢いね~」と驚いたのですが、彼の話によると、実はクラスのほとんどの子が暗記しているというのです。そこで、「お子さんはどんな小学校に通っているの?」と訊くと、普通の公立の小学校という返事が返ってきました。どうやら担任の先生が毎日、国語の教科書を音読するという宿題を出しているのだそうです。
子どもたちは毎日声に出して読んでいるうちにすっかり暗記してしまって、教科書を見なくても読み上げることができるようになったんだそうです。
その子どもの姿を見た若い営業マンは、何度も声に出して話す練習をすれば、きっとプレゼンテーションが上手くできるはずだと気付いたというのです。
声に出して何度も練習する
彼は毎日声を出してプレゼンテーションの練習を繰り返しました。
いわゆるリハーサルというものです。
何度も何度も繰り返すうちに、すらすらと話せるようになり、原稿やメモ無しでも平気になったというのです。そのようなリハーサルを繰り返したせいで、本番のプレゼンテーションはスラスラと話をすることができ、それで自信を付け、今では自分でプレゼンテーションが得意になったと公言できるほどになったのだそうです。
彼の話を聞いて思ったのですが、リハーサルを繰り返したことも確かにプレゼンテーションが上手になった理由の一つかもしれません。ただ、上手になった本当の理由は、心の余裕ではないかということです。
話す内容が全て頭に入っているという心の余裕で、彼はプレゼンテーションで緊張しなくなったのでしょう。
誰でも慣れたことをするのに緊張はしません。不慣れだからこそ緊張し、失敗を招くのです。心に余裕を持てるよう、皆さんもリハーサルを繰り返すことを心がけてください。
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。