営業マンの仕事はお客様のお役に立つことです。お役に立つためには、お客様のニーズをしっかりと理解していなくてはなりません。
ニーズを履き違えていたのなら、どんなに時間を費やした仕事でも、全てが無駄になってしまいます。
お客様のニーズを掴む
例えばお客様から私に、「部長クラスを対象にした女性社員との接し方のような研修をして欲しい」という依頼があったとします。
そこで私は、「部長」と「女性」というキーワードからセクハラ予防対策の研修案を作り上げてお持ちしします。
お客様から「そうそう、こういう研修をして欲しかったんだよ」と言ってもらえたとするなら、皆さんはどう思いますか?「たまたまだろ」とか「偶然の一致」と思う人も少なからずいますよね。
答えはその通りです。偶然です。実際にはこんなことはありません。
もしかしたら人事担当者は、部長クラスの人たちに女性社員の育て方の研修を望んでいたかもしれないのです。そうだったとすると、セクハラ予防対策の研修案は無駄になってしまう。加えて人事担当者からは、「あいつは使えないね」なんて言われてしまう可能性さえもあります。
きちんとニーズを訊きだし、状況に応じた仕事をしなければ、全てが無意味になってしまいます。
状況を察するのも仕事
頻繁に顔をだしている会社であれば、担当者といろいろな会話をすることで、その会社の状況を理解できるようになっておくべきということも言えます。
そうすれば、「○○が3千個欲しい」と言われたとき、「来月のイベント用ですか?それなら10日で手配しましょう」とお客様のニーズ以上の提案をし、喜んでもらえることもできます。
会議直前の上司から、「A社とはどうなっている?」と言われたら、詳しい資料やメモは不要です。「もう少し時間が必要です」と答えれば十分でしょう。それを、「やっと○○部の部長から△部の部長に話をしてもらったばかりで、△部の部長が今忙しく・・・」なんて報告をしていては、「結局どういうことなんだ!」と怒鳴られることになってしまいます。
ニーズを正確に掴むことと状況を把握することは、営業マンの基本姿勢です。
せっかく費やす時間と労力なのですから、結果に結びつくようにニーズと状況を把握できるよう、目配り気配りを心がけましょう。
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。