最近、「大人の数学」というようなカルチャースクールの宣伝を見つけました。大人を対象に、もう一回できなかった(・・・)数学をやり直してみませんか、ということらしいのです。
世間には様々なニーズがあり、それに応えるビジネスがあるものです。
ところで数学は考え方を学び、理解できているか例題を解きながら確認するという授業を繰り返し受けた記憶があります。この例題を繰り返すことの重要性を理解できたのは、実は営業の仕事を始めた頃でした。
抽象から具体へ
言葉だけで商品を説明するのは難しいですよね。お客様からすれば、それを理解するのは無理ということになります。
そこで、図表等のビジュアル効果で説明を補足するわけです。お客様も理解し易くなります。形のあるものならば、実物を見て、触って、使ってみてという視覚、触覚に同時に訴えかけると、お客様の理解は進むでしょう。
このように、全ては抽象より具体的な方が、理解度を高めるのです。
側面営業の重要性
私は商品の機能説明を対面営業、事例を用いての説明を側面営業と呼んでいます。
なぜなら、具体的な商品導入の事例をお話しすると、お客様と対峙するのではなく、同じ方向を向けるからなのです。つまり、コミュニケーションで大事な「共感」をお客様と「共有」できるからなのです。
「そこはうちと同じだ」、「ならば、ここの問題点は・・・ではないですか?」、「そうそう、そうなんだよ、そこがネックなんだ」、「そこをこのように改善すると、結果〇%効率アップという結果が出ています」、「〇%も?!すごいねー!」・・・という会話がぽんぽんと弾むようになります。
事例を通して、お客様と時間を共有できれば、一気に信用も増すというものです。
対面営業の後に側面営業をしかけると、お客様が商品の説明を理解できているかどうか直ぐにわかります。場合によってはフォローも可能です。更に事例説明で「共感」してもらうことができれば、非常に高い確率で契約に結び付くでしょう。
大昔に数学の例題を解いていて、「あっ、なるほどね~」って思ったとき嬉しかったですよね。それと全く同じことです。
営業の仕事で、お客様に「おー、なるほどね~」と思っていただくことができれば、成功なのです。
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。