プレゼン資料の図解に関して、他者から以下のような指摘を受けたことがないでしょうか?

「殺風景なスライドでなく、カラフルな写真や楽しげなイラストを入れろ」と。

本当に、このアドバイスは正しいのでしょうか?

答えをお伝えする前に、以下の2つのプレゼンを思い浮かべてみて下さい。

(1)「スライドはカラフルで楽しげだったけど、言いたいことがよくわからなかった」というプレゼン

(2)「スライドは殺風景だったけど、メッセージが明確で、論理もわかりやすかったので、聞いていて腹落ちした」というプレゼン

さて、目的を考えると、どちらが良いプレゼンでしょうか?

言うまでもなく後者ですよね?

つまり、プレゼンテーションにおいては、論理・ロジックが根幹であり、イラストや写真・絵はスパイスのようなものなのです。

したがって、冒頭の指摘は間違いではないが、本質的ではないと言わざるを得ません。

図解はおまけなのか?

ではプレゼン資料において、図解は全く要らないかというと、そうではありません。やはり、ある程度の図解資料があった方が聞き手の理解が進みます。

では、どんな図解が適切なのでしょうか?

ひと言で言うと、「ロジックを直観的に理解させる図解」です。

下図の「Before」と「After」を見比べてみて下さい

Afterのスライドの方が、直感的にロジックを類推できると思います。

このような図解スライドを見せながら、プレゼンを行った方が聞き手の理解が断然進むはずです。

どのような基準で図を入れるべきか

ただしこの話をすると、「じゃあ西野は写真や絵は入れるなと言ってるんだ」という誤解をする人がいますが、それも違います。

写真・絵が聞き手の理解の促進を果たすなら、むしろ入れるべきです。

つまり、プレゼンの根幹の目的である「理解促進」という基準で、スライドを作成してほしいと言っているのです。

その根幹を忘れて、「表面的なテク」という手段に走りすぎないで欲しいと思います。

多くの人が明確な目的がないままに、何となくイラストや図を入れてしまうのは、「楽しげなイラストがないと、殺伐としたプレゼンにな
らないか?」という不安があるからかもしれません。

殺伐としたプレゼンを回避するためには?

しかしそこは、あなたの話し方で補えばいいのです。

明るい表情で、滑舌よく、熱を込めて話す。

そうすることで、楽しげな雰囲気を作ることができます。

逆に、どんなにイラストが楽しげだったとしても、プレゼンターが元気なく、つまらなさそうに話していたとしたら、聞き手は「ああ、
面白いプレゼンだった」とは絶対に思ってくれません。

資料はわかりやすくシンプルに、話し方で楽しげな空気感を作る。

この原則に則って準備・実践を行うと、効率的かつ成功するプレゼンテーションを実現させることができるでしょう。

西野浩輝写真マーキュリッチ代表取締役
西野浩輝
「人は変われる!」をモットーに年間150日の企業研修をおこなう教育のプロフェッショナル。トップセールス・経営者・外資系勤務など、これまでの自身の経験を活かして、グローバルに活躍できるプレゼンター人材の輩出に取り組んでいる。
西野著書写真

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